5章 魔法少女、大戦争!
36 一度は晴れたかと思わせた憂鬱さが
・Scene ケル
―――時を同じくして。
ここは
アバランテを一望できる。
少し高い場所なので、町の隅々まで目が届く。
そして、逆側、方角で言うと、西には、
小川が流れる、草原があり、それは、
遥か遠くの、自然豊かな森へと続いている。
その丘陵の暗闇に、ケルが立って居る。
「闇が支配した」
城下町を一望すると、言う。空には、
ケルが創り出した闇は、どんどん広がって、
次々と
人と人とが憎しみ合い、負の連鎖が続いた城下町で、人々はメンタルを弱らされ、闇に対する抵抗力を失くしていった。
ケルは笑いながら思う。間もなく、完全に闇が覆うだろう、と。
「仕上げじゃ」
そう言うと、西を見て、草原と小川の方角を向く。そして、地面へと、杖を刺す。
手から、闇の触手が伝わり、地面へと入っていく。
植物への、侵食を開始するケル。大地に広がっていく闇の触手。
勢い凄まじく、森へ侵食すると、
(ザワザワ・・)
と悲鳴を上げるように揺らめく。
大地そのものの闇化。ケルは人間を、闇の力で支配して、魔力を高め、
この時を待っていた。こうなると森に生命が、住むのは不可能となり、
当人のケルですら予想できない、
恐ろしい事が起こる。
「ヒヒ。何が起こる?・・」
西の広大な森に、闇の触手は広がっていき。
一点に、集まって巨大な形を成していく。
それは、破壊を
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