10 ホワイトアイランド
ここは、アバランテ遥か南の、ホワイトアイランド。
気候は寒く、気温はマイナス50℃。雪と氷に覆われた場所。
そんな地の更に奥には、氷の山があり。
そこを登った山頂。常人では辿り着くのが、
無理であろう、場所。
そこに
その場所は、目の前も確認できない程の、猛吹雪。
しかし、そこに人影があった。
杖を持ち、深緑色のローブを身に纏った、
ポルゾイの陰に居る、闇魔導士ケル。
吹雪の中なのに、風を受ける様子はなく、平然としている。
ケルは降り積もる雪の上に、浮いた状態で、その岩壁を見る。
近付くと、杖を向ける。すると、雪が、その点を中心として、一気にサーっと避けて行く。
その壁には傷があって、蜘蛛の巣のような、
模様のようになっている。
小さな凹みがある。
杖を当てる、ケル。ぼんやりと、紫の光を発し、やがて、消える。
「やはり・・
と言うと、魔法を唱える。
すると、足元に紫の魔法陣が発生する。
そしてケルは、その中に消えた。
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