リレー

高草木 辰也(たかくさき たつや)

第1話  鱍瀧橋

 運動会やスポーツ競技でリレーと言うのがある。

駅伝なども同様で、たすきやバトンを渡して次の競技者に引き継ぐものだ。自分が全力を尽くして相手に引き継ぐ、チームワークの団体競技でありながら、個人競技でもある。

個としての自分をアピールできながら、仲間との一体感も味わえるのだろう。


 さて、話は全く変わるが・・・。


 渡良瀬川わたらせがわが流れる高津戸峡たかつどきょうには「はねたき橋」と言うのがある。遊歩道の橋なのだが橋には「鱍瀧橋はねたきばし」と漢字で書かれている。


 高津戸峡は風光明媚ふうこうめいびな絶景スポットで、秋の紅葉の時期には川沿いの遊歩道を歩く観光客で賑わっている。 遊歩道を歩いて登って行くと「鱍瀧橋」と書かれた歩道橋があり対岸に渡ることが出来る。 この橋はかなりの高さがあり、下を見下ろすと目がくらむほどである。


 この「はねたき橋」は地元で有名な自殺スポットで知られていて、TVの心霊番組等でも何度か取り上げられている。由来は不明だが、良くある噂話うわさばなしとしては、かつてここには「高津戸城」があり、その城の姫が不慮の死を遂げ、その姫が橋を渡る者を引きずり込む。と言ったような真しやかな話がある。

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