水の魔女
青い光に誘われるように歩いていく私は水が流れる庭のような場所に着く。
綺麗な水が流れる小川に架かる小さな橋をいくつか渡りながら進んで行くとこじんまりとした水車が回る家が現れた。
私が家の玄関の前に立つと
「どーぞ、開いてるわよ」
中から声が聞こえる。
その言葉に従いゆっくり玄関を開ける。
「はじめまして、灰の魔女さん」
そこには青い髪のスタイル抜群の女性はいた。
青い髪は水の様に潤っていてとても綺麗、女の私でもうらやましい胸……スタイル……いいなぁ
ジロジロよだれを垂らしそうな私をニコニコしながら女の人は挨拶をする。
「わたしは水の魔女、よろしくね」
「あっ、えと私は葵、灰の魔女です」
「ふふ、そんなに緊張しなくてもいいわよ」
「お茶でも……そうね、その前にお風呂に入った方が良いわね。案内するわ」
「えっえっ?」
水の魔女に押されながらお風呂につれていかれる。
「1人で入れる?それとも一緒に入る?」
「いえいえいえいえ、大丈夫ですです!」
恥ずかしいのもあるけど、水の魔女のスタイルを間近見たら自信を無くす自信がある!
私がお風呂からあがると、水の魔女はテーブルにお茶とお菓子を準備していた。
「あら、さっぱりしたわね。服のサイズは合ったかしら?」
「はい、大丈夫です」
「昔いた子のがあって良かったわ」
「さあ、紅茶飲める?クッキーも食べて」
「あの?私達どうなったんです?助けてくれたのは水の魔女さんですか?ならどうして助けてくれたんですか?」
「まあ、座って。紅茶飲みながら話しましょう」
水の魔女に言われ席ついて紅茶を飲む。
「おいしい」
「お口に合って良かったわ」
「あそこから逃げれるよう手助けしたのはわたし。なんで助けたのかはね、火の魔女に昔お世話になったからなの。
本当にそれだけよ。これで借りは返したつもりだから、次はもう助けないわ」
「えっと、まずは助けて頂き有り難うございました。
また質問で悪いんですけど、私の仲間はここにはいないんですか?」
「いないわ、何処に行ったかも分からないわ。門までは案内したからこっちには、来てるはずよ」
「探しに行きたい?顔に書いてるわ」
「はい、皆怪我してますし、心配ですから」
「ふふ、優しいわね。でもやめた方がいいわ、だって貴女弱いから」
「確かに弱いですけど、それでも……」
「忍者みたいな天使を倒すのに4人がかりではダメよ。そんなのではあのトリスを倒すのは無理だわ」
「でも、それでも!」
必死に訴える私に水の魔女は一口紅茶を飲むと
「もう1つ助けてあげるわ。貴女必死だし、可愛いから」
ふふっと笑う
「このクッキーの焼き方、火の魔女が教えてくれたの。その分位は貴女に魔女としての戦い方を教えてあげようと思うのだけどどうかしら?
焦る気持ちもあるでしょうけど、今は傷を癒して力をつけた方が良いと思うわ」
正直悩む、確かに今探しに行ったところでやられて終わりかもしれない、でも皆が無事なのを確認したい……
「ふふ、優しいから葛藤してるわね。ちなみにこの場所わたしの許可なしには出入り出来ないわ。わたしを倒して出てみる?」
さっき会ったばかりだけど分かる。この人はもの凄く強い。そんな人に倒してみるか?なんて聞かれたら何も言えない。
「……お願いします」
「ごめんなさいね、言わせたみたいで。ただ貴女を見て気に入ったの。死なせたくないのは本当よ」
「まだ会って時間たってませんけど、私の何が気に入ったんですか?」
「見た目かしら。可愛いんですもの。わたしの好みだわ」
(なんですと!?冗談……かな?)
どう反応して良いか分からないでオドオドしていると
「ふふ、良い顔するわね。もう少し力抜いて」
「いや、ちょっとびっくりしたんで」
「まずは、そうね灰ちゃんて呼ぶわね。わたしは水ちゃん」
「灰ちゃん?水ちゃん?」
「名前の方が良いかしら?じゃあ葵ちゃんとリエンちゃんでよろしくね」
「リエンちゃんはちょっと……リエンさんでは駄目ですか?」
「ふふ、真面目ね。いいわ、リエンさんで」
「じゃあ早速、今日の修行はよく食べて、よく寝ること。
疲れているでしょう。簡単なもの用意するからそれまではゆっくりしてて」
こうして、水の魔女、リエンさんに助けられ流れで弟子になることになった。
ミカ達の事が心配ではやる気持ちを押さえながらその日は眠りにつく。
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