天使の門前の攻防
『ベガルタ』
『モラルタ』
左右にそれぞれピンクと赤の剣を構えるとミカがサキを切り付ける。それが開戦の合図だった。
『グリム リーパー』
さりげなく言い方を変えた舞が鎌を構えミカに追従する。
『キキョウ』
『ひなげし』
サキは2本の刀で2人の攻撃を受け流しながら応戦する。ちょっと卑怯だけどこの場合決着は早い方が良い。
『イグニス、盾2つ』
私も参戦する。
『ユリ』
『アヤメ』
4本のくないを左右に投げる。
左右から迫っていたミカと舞は難なく弾いていく。
『サザンカ』
そこを狙うかにようにサキが丸い玉をまく。
パパーン!
玉が弾け2人の動きを止めるとすぐに魔方陣を展開。
『ホウセンカ』
さっきのより大きい玉を放り投げてくる。
カッ!! ドーーーン!!
光ってから爆発!! その前にミカと舞、2人にイグニスの盾を展開する。
「なんてことしやがる、爆弾野郎か!」
「助かった葵!」
2人のお礼を背に受けながら私はイグニスに指示を出す。
「イグニス、5つ、4つ剣」
4つの剣をサキへ飛ばすとそれに追従して
『クロー』
熊の爪を出した舞が追従する。
「イグニス、足場をミカへ」
四角くしたイグニスをミカへ向かわせるそのイグニスを踏み台にしてミカはサキから距離を置くように離れて飛ぶ。
『ウイング』
『ティア』
羽をはやし空中から弓で追撃、
サキは4つのイグニスを2つ弾き2つをよけたところで、熊爪の舞を受け止める。
「おとなしくどけよ!」
熊爪に力を入れながら空いている左手で
『アリゲーター』
腕が真ん中から避けワニの口になって襲う。
「魔物が!」
サキが噛まれまいと右手で押さえる
「!?」
ミカはの放った矢に気付きその場で体を回転させ避けつつ魔方陣の展開。
『アジサイ』
大量の手裏剣をばらまく。
「ちっ」
一番近くにいた舞のダメージは大きいようだ。
「流石に3人はきつい……『リング』」
サキは頭に天使の輪を召喚する。
そのリングを右手で掴むとポンと投げる。リングはくるくる回り始め光に包まれる。
そしてそこにはサキの形をした光の人形がいた。
「分身!?」
本体はミカへ、分身体は舞へと向かう。
* * *
「……」
「なぁーー! 無言で淡々と切り付けてくんなよ! それにしても、あたしが強化した状態でこれかよ!
しかも相手は分身体、やっぱり天使は強いな!」
舞の方が若干押されているように見える。
ミカは……!? 大丈夫そうだ、任せよう。
「イグニス、回って、爆炎塵華!!」
上手く行けば倒せるんじゃないかと、最初から必殺技を打ち込むがホウセンカと呼ばれる爆弾で威力を押さえられ逃げられる
『ボーンブレード』
爆風の中、身を焦がしながら舞が追撃し切りつける。
ザシュ!!
胸元を切る。一瞬やったか!と思ったが分身の傷はすぐ治る。
「だと思ってたけどね、イグニス、鞭」
負け惜しみを言いながら私は鞭で、舞の攻撃の隙間を縫うように打つ。
「なあ、これ思いっきりぶっ飛ばしたら消し飛ばないか?」
戦いながら舞が話しかけてくる。
「ぶっ飛ばすって、素早くて爆炎塵華避けられるし……」
「こう、ドーーーンて行けないか、ドーーンだ!」
「擬音ばっかりじゃん、もーー」
すでに銃弾は打ち込んだが避けられる、散弾は少し当たるが傷が治る。威力とスピード……
舞を見る……
「ねえ、舞飛んで!」
「はあ、葵なに言ってんだ!」
「良いから聞く!」
サキの分身体と切り合いながら隙を見つつ伝える。
「むちゃくちゃだな、あたし失敗したら死ぬじゃん。でも良い! そう言うの好きだぜ!」
親指を立てグッとする舞。
「じゃあ行くよ、タイミングは舞に合わせる」
「ああ!」
そうは言ったものの行けるかな……でもやらなきゃ倒せないし最悪、舞を私が殺すことになる。
やるしかない!
「イグニス大変だけどいくよ、攻撃と防御の融合をやってみせるよ!」
(はい!)
「イグニス、2つ」
球体のイグニスを分身体に向け真っ直ぐ飛ばす。当たり前だが避けようする分身体。
「散」
到達する前に弾け散開する、1つ1つは小さいので威力はないが足止めにはなる。
「銃、ショット」
追い討ちに散弾をばらまく。
「集まる!ファイヤー トルネード!」
火の渦を起こす。
「いいぜ! こい!」
舞が火の渦に向かい走りながら叫ぶ。
「全体を包んで、足は……威力は手に集中、盾が前、よし」
手順を確認して私は叫ぶ。
「だーー! 行けーー!」
舞をイグニスの炎で包む。前方には盾を展開し後方はジェット噴射のように炎を放ち、まるで炎のミサイルのようになる。
火の渦をもの凄い勢いで突き破ってくる炎のミサイルに分身体は、火の渦に動きを制限され正面から受けるしかなかった。
刀を構え切りつける
ガツッ!!
ミサイルの前に展開されていた盾に阻まれ体制を崩す
ミサイルの炎は霧散し中から両腕の熊の爪に火の渦を巻いた舞が出てくる。
「死ねよ!」
両腕の燃える爪を交差して突き立て外側に向かって切り裂いていく!
「イグニス、爆」
分身体の切り裂かれた胸元が光始め
「ファイヤークロー!!」
「炎弾爪舞!!」
ドーーーーン!!
爆発する。
内部からの爆発で分身体は吹き飛び、ボロボロになったリングが落ちる。
「舞!」「今のは、炎弾爪舞!」
「葵!」「ファイヤークローだ」
勝利より必殺技名にこだわる2人
今回は舞が命を張ってくれたので「ファイヤークロー」で決定です。
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