16話

 本当に入って来れないんだ・・・。

 う~ん、どうしてだろう・・・。


「あっ!足がない!」


 ちょっと待って・・・。それって、えっと・・・まさか・・・。

 上に視線持っていけないんだけど!!

 絶対視線合わせちゃいけないタイプのアレだよね・・・。



「よし!見なかったことにして次に進もう!うん、そうしよう!! 」


『どこにいくのかしら~ん♡』


「・・・・・・えっ?」


『うふふふふ♪』


「・・・・・・に゛ゃああああ~~~!? 」



 脱兎の如く走り去る僕の背後についてきてる気配がする!

 何で離れないの!? ヤダヤダヤダヤダヤダ!!



『待ってぇ~ん♡置いてかないでぇ~♪』


「来ないで!構わないで!! 放っといて!! 消えて~~~!! !! 」


『ぎゃああああああああ・・・・・・』


「え?ぎゃあ?? 」


 ちょっと、いや、かなり?

 野太い叫び声が聞こえて、そのあと綺麗サッパリ消滅してる。

 どういうこと???


 僕なにか変なこと言ったっけ?

 う~ん、まぁいっか。


 それにしても、さっきも澄んでたけど今はもっと澄んでる。

 気がする。多分・・・



「あまりにも吃驚しすぎて思わず鳴いちゃったよ。恥かしいなぁ、もう・・・」


『ぅんしょ、ぅんしょ。おにいちゃん、ちょっとどいてくらさいな』


「へ?今度は何!? 」


『足元ですよ、足元。列が乱れちゃうので、どいてくらさいな』


「足元?・・・・・・に゛ゃあああああ!!」


『ぅひゃぁぁぁぁ!?』



 生首いっぱい!こわっ!?く、ない?

 見るも無残な生首じゃなくて、ちんまりした顔?だよね?



『びっくりするじゃないですか。あぁ、あぁ、叫び声に驚いて列が乱れちゃったじゃないですか』


「ご、ごめんなさぃ・・・。僕、いきなり声掛けられたり幽霊とかダメなの・・・」


『ココは、いろんなモノたちが住まう森ですよ。驚いてたら疲れちゃいますよ』


「あぁ、うん、そうだよね・・・」


『さぁ皆さん、列を整えて行進しますよ』


『『『は~い。綺麗なおにいちゃん、さようなら~』』』


「え?綺麗??僕が???」



 どっと疲れた・・・。どこか寝られる場所探そうっと・・・

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