第3話 悪魔との出会い3
人間の常識とされるレベルの有名な話で、『悪魔とは関わってはならない』『悪魔という種族の者達は人間の敵だ』そのように認知されている。当然、虹夜も学校で『絶対に悪魔とは契約を結んではならない』と教わっている。
「まぁ、俺はまぁお前らでいうところの悪魔だ! 俺たちは、認めた相手に、力を授けたり、自身を召喚させられるようにできんだ!」
「う、うん……」
虹夜は申し訳なさそうな顔をしながら、ビルファから視線を逸らす。
「俺と契約を結ぶのは嫌か?」
彼の表情を見て彼は少し残念そうに言う。
「そういうわけではないけど……」
「はぁ……やっぱり人間たちの中で、悪魔の印象は
人間が悪魔に抱く感情がとても悪いのは、悪魔達も理解している。当然、ビルファも知ってはいたが、残念そうにため息を溢す。
「ううん、違うよ。友達なのに、力を授けるとか、召喚するとか、それって友達関係なのかな? それに、僕は、自分で努力して魔法を使えるようになりたいんだ」
虹夜は、他の人達が悪魔と契約をするなと言っていたからではなく、友達の関係なのに契約をすることで対等な関係じゃなくなると思い、戸惑っていた。
「そうか、人間というものは、楽なことばかり考えると聞くが、お前は違うようだな! まあ!俺に友達になろうと言った時点で、普通の人間とは違ぇ訳か!!」
真面目な性格の彼の言葉に、ビルファは感心する。
「ただな、召喚の契約は、結んだ方が良いぞ! 何かあった時に、俺を呼べるぞ! つうか、お前が心配だからな! あのグズ共が明日何かしてくる可能性があるからな!」
ビルファも特にやましい理由は無く、先ほど彼に魔法で暴力を振るっていた同級生が報復にくることを予想したり、他にも何か酷い目にあるのではないか心配で契約を持ちかけた。
「友達って用心棒ではない……」
虹夜にとって友達は、共に楽しく過ごす人達であり、何かあったら助けを求めるようなものではないと考えている。ただし、彼は助けを求められたら助けにいくタイプの人である。
「うっせぇ! お前あれだな、遠慮するタイプの人間だな! 友達がお前を助けたいって言ってるんだから、素直に受け止めろよテメェ!!」
彼が遠慮がちな性格だと思い、ビルファは助けたいと思っている友達の意思を、受け入れろと怒鳴る。
[そこまで言ってもらえるならお言葉にあまえようかな]
「……うん、わかった……ありがとうビルファ。じゃあ召喚契約は結ぼうかな?」
怒鳴るながら自分に頼れと言われたことを嬉しく思い、虹夜は契約を結ぶことにした。
了承してもらったビルファは、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「そうか、じゃあ、右手だせ!」
「はい」
虹夜の手の甲に、ビルファの手の平を重ねる。
「我、汝と友人契約を結ぶことを此処に誓おう」
悪魔ビルファは友人契約の口上を述べ、紫色の光を放つ。そして少しずつ光をが消えていく。
そして人間の少年、亜使虹夜の右手の甲に紋章が現れた。
「虹夜の右手に紋章を付与した。これで、俺をイメージして、呼びかければ、俺に繋がるわけだ! それと、俺を召喚ができるようになったが、今は召喚というより俺がお前の所へゲートを開いて行く感じだ!」
「僕が本来の召喚として呼び出せすことは出来ないの?」
虹夜は、自分から呼ぶつもりは無いが、とりあえず聞いてみる。
「本当ならできんだが、お前は今、魔法が使えねぇようだからな。だから、使えるようになったらやり方を教えっから」
「そっか、ありがとう」
「ああ」
「あっもうすぐ5時だからそろそろ帰らないと」
「人間の家庭には、門限とかいうのがあるみてぇだからな、じゃっ何かあったら、俺に念を送っといてくれ! イメージくらい出来るだろ!」
ビルファは、人間についてある程度理解があるようなので、問題なく対応する。
「うん、分かった」
「それと、明日、時間はあるか?」
「まぁ、明日は土曜日だから学校は休みだし」
「んじゃ、明日の時間ある時に俺を呼べ、魔法の特訓してやる!」
「えっ? 良いの?」
「俺は悪魔の中でも魔法が上手ぇからな! お前が魔法使えるように力になるぜ! 俺に任せろ!」
2人は約束を結んだ。
「それと、ビルファに言わなくちゃいけないことがあるから聞いてほしいんだけど良いかな?」
「ん? なんだ?」
「こんな僕と友達になってくれてありがとう! これからよろしくね、ビルファ!」
虹夜は、笑顔で右手を差し出す。
「あぁ、俺からもよろしくな虹夜!!」
ビルファも穏やかな笑みを浮かべ、彼の手を握り悪事を交わす。
「それじゃあビルファ、また明日!」
「あぁ、明日俺を呼ぶの楽しみに待ってっからな!」
こうして、虹夜は、悪魔の友達を作り、魔法の特訓をしてもらう約束をし、嬉しそうに家路についた。
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