20枚目 帰りの車

 BBQの片付けも終わって、帰ることになりました。お姉ちゃんはちょっと疲れている様子だけれど、私たちはまだまだ元気。


「歳の差かしら……、私はもう運転してたら家で寝ると思うわ。」


「私が免許取ったらお姉ちゃんを乗せてあげるね~!」


「あら、ありがとう。じゃあ帰りの車はあんたの好きな音楽を流していいわよ。」


「じゃあこれにする!」


 という事で車が出発。さようなら海。そしてチャイルディッシュだけれどその割に極端な展開が面白いチェンバーポップ風の音楽が流れます。


「あら、かわいくて元気な音楽ね。」


「あはは、よくわかんない展開にちょっと笑っちゃうな。この子供のおとぎ話みたいな突拍子もない感じがなんかテンコらしい感じするぜ。」


「音の入り方とか本当におもちゃ箱をひっくり返したみたいな唐突さだな。」


「ね~、シュールでかわいいよね~。オーストラリアの8人組のバンドで、"Architecture In Helsinki"って言うんだ。これは2ndアルバムの"In Case We Die"。全員がマルチインストゥルメンタリストで、とにかく色んな楽器が使われているの。男性ボーカルの脱力具合とか、女性ボーカルのゆるい感じとかとってもキュートだよね~。」


「"Wishbone"って曲のせわしなさもかわいいわね。あら、"Do The Whirlwind"これは素直にいい曲ね。」


「あんたら元気だねえ……。ああ、はやく帰ってビールが飲みたい。」


☆ ☆ ☆


Architecture In Helsinki - In Case We Die - 2004

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