第2話

「で、祥子ちゃん」

「何かな?真一くん」

さっっから、思っていた事を尋ねた。


「オーデション会場はどこかな・・・」

「今、探しているんだけど・・・」

「確か、電話では地下鉄にのってくれって」

「地下鉄?」


僕らが今、向かっているのは大阪の予選会場。

本選ではない。


でも、書類審査にうかっただけでも、対したものだ。


「何駅だって?」

「地下鉄の上本町駅なんだけど・・・その駅どこにもないの」

「変だね・・・」


このまま路頭に迷うのか・・・


仕方なく近くの男性に声をかけた。


「すいませーん。いいですか?」

「どうかされました?」

「地下鉄上本町駅って、どこですか?」


祥子さんは、地図を見せた。


「ああ。これは[ちかてつ]ではなく、[きんてつ]と読むんだよ」

「きんてつですか・・・」

「確かに、近い鉄と書くので、間違え人が多いんだよ・


声をかけた、男性はそう語った。


でも、間に合わないかも・・・


「どこに行かれるの?」

「ここです」

祥子さんは、スマホの画面を指差した。


少しは、怪しめよ・・・


「ああ、これなら、そこの階段をあがってすぐだよ」

男性は、答える。


「でも、駅名が・・・」

「近くにあるけど、駅名は違う。よくあることだよ」


男性は、去って行った。


なんなんだ・・・

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