第16話アクアの悩み?
掃討作戦が終わった後、兵士や冒険者達は目の前で起こった事が最初は凄いと思ったが、徐々に常識的に考えてありえないことだと気付きはじめた。
1人の冒険者が驚いて思っていた事を口に出す。
「な、なんなんだ!?あの子供は!?」
その言葉を近くで聞いていた兵士が口を開く。
「おまえ、あの方を知らないのか?侯爵様の御子息のアルバート様だ」
この兵士は侯爵であるジャックに護衛の腕を見込まれて、以前アルバートが街に出た時、護衛をしていた。まあ、護衛対象であるアルバートを見失って怒られたけど、それだけでお咎めはなしだった。
そんな事があり、アルバートの事はよく知っていた。
まあ、この話は置いといて。
「そ、そうだったのか!?知らなくてつい言ってしまった。見逃してくれ、兵士さんよ~」
「さっきの言葉は聞かなかったことにしておく」
「おお、ありがとう。さっきから気になってるんだが、アルバート様の後ろにいる女の子はなんで浮いてるんだ?」
そこで兵士ははじめて女の子、アクアを見て目を見張った。
「ま、まさか、精霊?しかしあんなに存在感を感じる精霊は見たことがない。力の底が見えない。絶対に敵に回してはいけない。しかし一体なぜアルバート様が精霊と一緒に…。まさか契約、されたのか?」
「ああ、恐らく契約してるだろうな。でも、その精霊より怖いのはアルバート様だ。その精霊と契約できる力があの方にはあるんだ。さすが侯爵様の息子だな。」
「そうですね…。アルバート様は5歳ながら、言葉遣いも達者で賢いのです。毎日本を読んだりして知識を増やしているのです。それだけに留まらず、最近は魔法の練習をしていたのですよ。その努力を惜しまない姿が精霊の目に輝いているように見えたかもしれませんね」
「5歳、か。俺が5歳の時はよくお袋に怒られてた記憶が頭の隅に残ってるよ。アルバート様の成長が一冒険者として楽しみだ」
「そうですね。僕も侯爵家に仕える身として楽しみで仕方ありません」
そんな会話がされているのも知らずアルバートは父と抱擁を交わした後、先に帰っておけとジャックに言われた。
「負傷した兵士や冒険者達は私に任せておけ。これでも指揮官なんだ。しっかりと俺の帰りを待っておくんだぞ?」
どうやら父上は約束を破った俺に約束を守らせてくれるらしい。
「はい!父上。帰りをお待ちしております!」
アルバートは笑顔で言った。
そうしてジャックと別れ、アルバートが屋敷へ戻ろうと少し走りはじめた時だった。
急に声が聞こえた。
『レベルが上がりました』
『体力が上がりました』
『魔力が上がりました』
『称号・殺戮者を獲得しました』
『称号・英雄を獲得しました』
またあの声だ。さすがにあの時のように驚かなかった。この世界のルールがまだよく分かっていない。それも含めてまたテオス様に聞いてみよう。
なんか体がポカポカする。
「てか、殺戮者と英雄ってどっちかにしてくれよ。ステータス見てみるか」
そうして唱えた。
『ステータス』
【名前】アルバート・フォン・ハワード
【種族】人間族
【性別】男
【年齢】5歳
【称号】異世界転生者、神々の使徒、ハワード侯爵家四男、水の大精霊の契約者、殺戮者、英雄
【レベル】125
【能力ランク】SSS
【体力】9000/9800
【魔力】58000/79500
【魔法レベル】
火魔法LV10
風魔法LV10
水魔法LV10
土魔法LV10
光魔法LV10
闇魔法LV10
創造魔法LV10
【スキル】
アイテムボックスLV10
魔力運用効率化LV10
身体能力強化LV10
物理攻撃耐性LV10
魔法攻撃耐性LV10
隠蔽LV10
無詠唱LV10
手加減LV-
言語理解LV-
魔力操作LV8
精霊召喚LV- 召喚時、魔力増幅
【加護】
創造神の加護、水の大精霊の加護
【契約】
水の大精霊
え?レベル125?まあ、魔物をあれだけ倒したら当然なのか?よく分からん。
まあ、すごいことなのは分かるけど。あまりにあっさりと魔物を倒しちゃったからあんまり実感がないんだよね。
そこでふと思った。
「なあ、アクア。アクアは湖にいたんだよな?」
『うん、いたなの』
「その前はどこにいたんだ?」
『精霊界なの』
はいー、来ました来ました。異世界ファンタジーのテンプレの1つ、精霊界頂きました!
おっとすまない。ついついラノベの知識で舞い上がってしまった。
一応この世界の精霊界について知りたいな。
「精霊界ってどんなところなんだ?」
『いっぱい、精霊がいるの!みんな精霊界が好きなの!』
「お、おう、そうか」
なんかすごいハイテンションだな。
『でもね、サラくんと喧嘩しちゃって逃げてきたの…。』
「だ、大丈夫か?」
な、なんか急に落ち込んじゃったよ!?もしかして俺、嫌な事思い出させちゃったのかな?
「俺はアクアの主だ。アクアの悩みを聞くことも主の務め。なんかあったら、相談するんだぞ」
無理やり言わせるのもかわいそうだ。アクアが言いたい時に言ってくれればいい。俺ができる限りのことはしてあげたい。
ん?5歳児のいうことじゃないって?
まあ、そこは分かるでしょ?
『わ、分かったなの』
少し俯いて顔があまり見えないが、顔がほんのり紅い気がした。
あくまで気のせいです。
でも、サラくんって誰だろ?アクアは大精霊だし。大精霊の友達とかいるかもね。
そうして、屋敷に向けて帰っていった。
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今日はもう1話更新します!
お楽しみに!
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