『小さなお話し』 その41

やましん(テンパー)

『びんぼうにんはデータ食え❗』

『これは、フィクションです。』



 と、ゲハイ首相が言って、解散さわぎになりましたが、強力な独裁与党に守られているので、デモ隊は、怪我人を出しただけで、たいした成果は得られませんでした。


 我が国は、『電子立国』を宣言して、長くたちます。


 最近は、悪病の蔓延や、巨大地震の連発で、なかなか、苦しい事態が続いております。


 それでも、国民には、一定所得以下の人には、機能限定型のスマホが無料配布されております。


 ただし、こいつは、政府広報と、自治体との連絡や、一部の福祉サービスにしか、つながりません。


 ただ、ふたつだけ、好みの無料サイトを選び、許可が出たら、使用可能になります。


 だから、国民どおしのメールなどには、参加できないのです。


 それでも、スマホ普及率は、100パーセント、と、されておりました。


 ぼくは、一般型のスマホを、なんとか、維持してきましたが、もはや、ムリ、と悟りました。


 そこで、政府給付のスマホに、切り変えました。


 選択サイトは、昔から、お話しを投稿していた、『カケヨメ』と、『ナルベー』にいたしました。


 すでに、売れるものは、売り払ってしまい、がらんとしたおうちに、一人住まい。


 残っているのは、くまさんや、ぱっちゃくんたちくらい。


 奥さまは、独立しております。


 政府は、その、おうちも、売るように言ってきています。


 ならば、もう少し、面倒見てやっても良いと、言うことらしいです。


 まあ、もう、80歳になる。


 いまさら、さわいでも、仕方ないです。


 もっとも、首相さんは、85歳だそうですな。


 さて、ぼくは、晩御飯の選択に入りました。


 政府関連サイトの『頻急鉄道福祉給食』を見ます。


 大手鉄道会社が主催する、貧困老人対策サイトです。


 まあ、おいしそうな、ごちそうが、並びます。


 カツ丼、天丼、ステーキ弁当、とり丼、うな丼、プテラノ丼、そば定食………………


メニューは、毎日変わります。


1日1食ですが。 

 

ぼくは、ステーキ弁当にしました。


申し込みし、受付完了のメールが届きました。


 近所のコンビニさんに、スマホをもって行き、画面を提示します。


 すると、まことに、おいしそうなステーキの写真が印刷された、袋を渡してくれます。


 あとは、帰って食べて、ちょっとお話し書いて、寝ます。


 便利な社会ですね。


 なお、袋の中身は、みな、おなじで、食パン二枚とか、菓子パン一個に、野菜ジュースパック一個、あたりです。


 袋を見ながら、食べるわけです。


 最高の、社会なのです。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


               🍞 🔪

 


 


 


 


 


 


 

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