異世界転移したらゴブリンだったので、とりあえず魔王討伐を目指してみる

@tonkatu3510

第一章 喜びは地獄に

第一話 異世界転移が突然すぎる

「うは~! やっぱ新しいゲーム機の開封はワクワクするな~」


マンションの1Kの部屋で、ゲーム機の箱を開けながら一人の男が言う。


男の名は高橋勇樹(たかはしゆうき)。21歳の現役大学生だ。


趣味はアニメ鑑賞とゲーム。お金のほとんどはアニメのフィギュアやゲームに


使っており、部屋にはありとあらゆるアニメのフィギュアやゲームが並んでいる。


「しかし、やっぱり予約しておいて正解だったな~! あの後すぐ完売しちゃったし。よ~し!今日はこの新作のゲーム機とRPGのソフトで遊び倒すぞ~!」


昼の1時。勇樹はそういう言うとゲーム機を箱から出し、配線をコンセントに挿し、ゲーム機の電源を入れる。


「あ、設定しなきゃいけないのか。めんどくさいな~。」


ゲーム機の設定を終え、ゲームソフトのディスクをゲーム機に入れる。


「よ~し。それじゃあ、プレイしますか!」


そう言うと同時にゲームのスタートボタンを押す。


テレビの画面には大きくタイトルが描かれている。


「えーと。自分の名前を決めるのか。じゃあ、ユウキと」


自分の名前を設定し、画面には「チュートリアルをしますか?」という文字が表記されている。


「チュートリアルとか正直めんどいんだよな~。スキップしよ」


勇樹はチュートリアルを飛ばし、ゲームを進める。


ジャキン!ボコボコ!バーン!


ゲームの効果音が部屋に響き渡る。


そして、勇樹は何時間もゲームに没頭する。


「よし! この! おっしゃーー! ようやくラスボス倒せたぜ!」


勇樹は時計を見る。


「あ! やばっ! 昼からずーっとやってたらもう夜の11時じゃん!!


明日バイト早いしな~。 エンディングだけ見て寝るか」


テレビの画面にはスタッフロールが映っている。


ピコン。


急に画面が切り替わる。


「え? あなたがこのゲームの中で一番弱いと思うモンスターを教えてください?

 そんなの、一番最初に出てくる『ゴブリン』に決まってるじゃん」


勇樹はコントローラを動かし、『ゴブリン』と入力する。


ピコン。


【本当にこれでいいですか?】という画面が出てくる。


「いいに決まってるじゃん。 何なん? この質問」


勇樹は迷わず【はい】という選択肢を押す。


ピコン。


【本当の本当にいいんですね?】という画面が出てくる。


「あーもう! うざったらしいな! 早く寝かせろよ!」


勇樹はまた迷わず【はい】という選択肢を押す。


その瞬間、いきなりテレビの画面が光始め、それと同時に勇樹が消えた。


勇樹は地球上から消えたのだ。

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