第2話 ・・・また、あの女ですか。

 マスターの部屋を見て、


 電子回路がショートしそうだった。


 マスターの喉からしぼり出した声が聞こえる。


「あ、ありがとう」


「・・・いえ」


「コ、コーヒー、そこに置いておいてくれるか?」


「・・・肯定。・・・何をされているんですか?」


「こ、これは・・・」


 マスターは目をらした。




『月〇〇あゆの誕生日にちなんで、月〇〇あゆルート107周クリア達成!』


『月〇〇あゆ! 最高! 可愛い!』


『あゆあゆ! 可愛いすぎ! うぐぅ~!』




 いつもは物が少ないマスターの部屋に、


 これでもかッ! というぐらい、部屋中にポスター、写真、垂れ幕、などが張られている。


 テーブルにはケーキが置かれており、


 ケーキを囲むように、人形が置かれている。


 そして、不気味なことに、なんの意味があるのか分からないが、


 ポスターや人形一つ一つに、たい焼きがおそなえされていた。





 プルプル。


 なんだか、コーヒーカップを落としそうだ。


「・・・た、誕生日ですか?」


「い、いや、なんだろう・・・な」


「・・・そうですか」


 コーヒーカップを、入口の床に置く。


「・・・コーヒーです」


「あ、ありがとう。ノアは優秀なアーティフィカルインテリジェンスAIだなあ」


「・・・お取込み中のところ、失礼しました」


 バタン。


 私は部屋を出た。







 私にかまってくださいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


 私はテーブルに座り、


 やけ飲みやけハイオクした。

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