第2話 魔王、登場。

 魔王城の魔王の部屋の前に着いた。


「さてと、魔王を倒すぞ」


 荘厳そうごんな扉を開ける。


「誰だ、貴様」


 魔王がいた。


「え?」


 黒い鎧をまとい、黒い大剣を杖のように地面につき、スッとキレイな姿勢の魔王が立っている。


 光るような金髪。


 白い肌。


 キリッとした真剣な眼差まなざし。


 魔王は魔族では無かった。


「人間? しかも、少女なの?」


「なんだ? 魔王が人間の女では、不満ふまんか?」


 すごんでいるが、透き通るようなキレイな声だ。


 どうしよう・・・。


「この異世界を救うため、君を倒しに来た」


「ほう、面白い。ならば、かかってくるがいい!」


 魔王が剣を構えた。


「速攻で行くぞ!」




 チート能力ッ!!!




「ぐはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」



 魔王を倒した。


「静かに眠れ、魔王金髪の少女


 俺は倒れた魔王に、背を向けた。


 だが、元の世界に帰るゲートが出てこない。


「あれ? なんでゲートが出ないんだ?」




「くっくっくっくっくっく! ふぁーはっはっはっは!」




「なんだと!?」


 倒したはずの魔王が、立ち上がった!


「そ、そんな!?」


「驚いたぞ! まさか、この我を一撃で倒すとはな!」


「なんで生きているんだ!?」


「ふん、知れたことよ。我は死なん!」


「なんだと!?」


 魔王は大剣を地面にカンッとつき、俺を見下ろした。


「我は魔王! 不死ふしの能力をつかさどる者なりッ!!!」



 うそおおおおおおおおおおおおお!!?



 俺は逃げた。

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