第3話 もう一人のボク!?

「さて、なんとなく森で木でも切ろうかな」


 ボクはアレス。


 どこにでもいる普通の一般人。


 デカい木を手刀で切りつける。


 パキン。


「しまった! 手が折れた!」


 ツル。


 バナナの皮で足を滑らせてしまった!


 100メートル以上ある谷に落ちてしまう。


「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!」






『・・・・・・目覚めろ』


 真っ暗な意識の中、誰かの声が聞こえた。


「誰だ?」


『・・・・・・俺だ』


「え?」


『・・・・・・思い出した』


「何を?」


『・・・・・・嫁はなぜあんなことを?』


「嫁? 君は誰なんだ?」


『・・・・・・『俺』だッ!』





 ボクは目を覚ました。


 病院のベッドで寝ていたようだ。


「なんだったんだ? さっきの声は? 夢だったのか?」


 ボクはズキリと痛む頭をおさえるのだった。

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