第4話 能力の価値。人の価値。
「アレス、もう大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
「アレス、感謝はリーナ様にしてあげてくれ。ずっとアレスの看病をしてくれてたんだよ」
「先生、ずっとじゃありません!」
「あはははははははっははははっはああははははhahahahahaaha!」
ボクは病院を出た。
「リーナ、ありがとう」
「言葉なんていらないわ! 態度で示してよね! フン!」
「それじゃ、今から一緒に劇場にいかない?」
「えッ! ホ、ホントに!? ア、アレスがどうしてもって言うなら! い、行ってあげてもいいんだけど?」
「よし! 決まりだ! またね! リーナ!」
「なんでやねん!」
「わ、わかったよ! 行けばいいんでしょ!」
「当然でしょ!」
リーナが腕を組んでくる。
これでは逃げられない。
あたりからヒソヒソ話しが聞こえる。
「リーナ様が無能力者のアレスと一緒に歩いてるわ」
「リーナ様は超優秀な能力者なのに、なんで無能力者なんかといるのかしら?」
「あの子は身の程をわきまえてほしいわ」
「・・・・・・・・・・・・リーナ・・・・・・様」
「リーナって呼び捨てにしてって言ってるでしょ」
「リーナ、ボクといるとリーナまで悪く言われる」
「気にしないわ」
「・・・・・・でも」
「・・・・・・お願い、アレス。一緒にいさせて」
ボクはアレス。
どこにでもいる普通の一般人。
ただ、
「無能力」だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます