第4話 料理対決。バニラ対バニラ。
怒りに燃える俺の手に、黄金に輝く炎みたいなヤツが燃えている。
だが、俺は怒りを飲み込み、黄金に輝く炎みたいなヤツを消した。
「ちょっと待ってろ」
「いいだろう」
レストランの厨房に行く。
冷凍庫にあるバニラアイスを出し、そこらへんに置いてあった塩をパッパッと振って、「塩バニラ」を3秒ぐらいで作った。
俺は戻る。
「そのアイスと食べ比べてみろ」
「毒が入っているんじゃないだろうな?」
「入っていない」
「お前の彼女のアイスに毒を入れた俺に相手であるお前が簡単に毒を入れていないと言われて俺が信じるとでも思っているのか!?」
「信じてくれッ!」
「いいだろう」
店員が「塩バニラ」を食べる。
「うっまあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!!!!!!」
店員がスプーンをすごい速さで動かして、塩バニラを食べる。
「たぶんバニラだと思うんだけど、その甘さを引き立たせるために、たぶん塩か何かがかけられていて、たぶん甘さが引き立たせられていて、なんかすごくおいしくて、こんな素晴らしいアイスを私は今まで一度もたぶんだけど食べたことが無い! 絶賛できる美味しさで、たぶんバニラがおいしくて、塩もなんかすごいおしいんだけど・・・いや、そうじゃない。バニラ単体がおいしいんじゃなく、また、塩単体がおいしいんじゃない! これはバニラと塩が一緒だからおいしいんだ! 間違いない! たぶんバニラと塩を一緒にすることで、甘さが引き立っているんだ! これはいうなればそう、コーンスープに実は少量の塩が入っていて、よりおいしくなる原理と同じだあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
店員は料理アニメの解説者みたいにアイスの美味しさを詳細に分かりやすく教えてくれる。
「これも食べてみてくれ」
「これは」
「お前のアイスがどれほどのものなのか知りたくないのか?」
「知りたい」
「だろ?」
店員は毒アイスを食べた。
「グハアアアア!!!」
店員は血を吐いて倒れた。
俺はテーブルに座り、足を組んで塩バニラを一口食べた。
「安心しろ。救急車は呼んでやる。ただし、この塩バニラを食べた後にな」
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