第41話 思いが込められた手紙
私とクラーナは、レフィリーナちゃんからラノアに届いた手紙を読んでいた。
その手紙には、しっかりと彼女の思いが込められている。
「手紙は、好きなように書けばいいんだね。私、やっと理解できたよ」
「そうみたいだね……でも、長く書いた方がいいみたい」
「うん。難しいかもしれないけど、頑張ってみるよ」
ラノアは、手紙を読んで、自分がどうするべきか理解したようだ。
結局、自分の好きなように書けばいいだけなのである。それなら、ラノアもきっとできるだろう。
「それにしても、レフィリーナは手紙の時はなんだか違う口調みたいね」
「そういえば、そうだね……」
クラーナの指摘に、私は頷いた。
確かに、レフィリーナちゃんは普通に話している時と、少し手紙の口調が違うのだ。
この文章からは、あの若干高飛車な感じが伝わってこない。とても、穏やかな子であるように思える。
ただ、どちらかというと、こちらが素なのではないだろうか。
彼女が刺々しかったのは、虚勢によるものである。だから、本当はとても穏やかだと言われても、別におかしい感じはしない。
「というか、レフィリーナちゃんって、滅茶苦茶……」
「ええ、ラノアのことが好きよね……」
「え? そうなの? どうして、そう思うの?」
「それは……」
「ねえ……」
私とクラーナは、改めて手紙を見て、その愛情を実感した。
彼女は、とてもラノアのことを思っている。それは、この文章を見れば、とても伝わってくることだ。
「どうしてなの?」
「うーん……手紙を見たら、わかるんだ。とっても大好きだって」
「え? でも、そういうことが書いてある訳ではないよ……確かに、手紙は嬉しいって書いてあるけど……」
しかし、それはラノアには理解できないだろう。あくまで、私達がラノアに愛情を持っているから、わかるだけなのだ。
もちろん、彼女も自身が好かれていることは理解しているだろう。ただ、私達が感じていることは、本人にはわかりにくいことである。
「まあ、ラノアもいつかわかる時が来るんじゃないかしら?」
「いつか? 大人にならないとわからないということ?」
「そうね……でも、正確には違うかもしれないわ。私達にとってラノアみたいな存在ができれば、わかるということかしら?」
「お母さんになったら、わかるの?」
「まあ、その解釈でいいと思うわ」
クラーナは、そう言いながら、ゆっくりとラノアの頭を撫でた。
きっと、ラノアもいつかわかる時が来るだろう。
とにかく、レフィリーナちゃんの手紙に込められた愛情は、私達がしっかりと理解している。これだけ愛してくれるなら、安心してラノアを任せられるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます