第28話 やっぱり一緒に

 夕食が終わった後、クラーナがお風呂を溜めてくれた。

 そのため、お風呂に入る。だが、ここで一つ問題があった。


「その、どうしようかしら……?」

「う、うん……」


 それは、一緒に入るかどうかという問題だ。

 私が手を怪我したため、昨日はクラーナと一緒に入った。

 ただ、今日は手が治っている。そのため、一緒に入る理由は特にない。


 しかし、私は一緒に入りたいと思っていた。

 それは恐らく、クラーナも一緒だろう。


「い、一緒に入ろうか?」

「……ええ、そうね」


 私の提案を、クラーナは受け入れてくれる。

 やはり、私達の心は一緒のようだ。


「それじゃあ、行きましょうか?」

「うん……」


 という訳で、私達はお風呂場に向かった。


 すぐに、お風呂場に着き、脱衣所に入る。


「……服を脱ぐわよ」

「うん……あんまり見ないでね」

「……ええ」


 私達は背を向け合って、服を脱いでいく。

 クラーナの裸は見たし、私の裸は見られたが、それでも恥ずかしいのである。


 私達は、何も喋らず服を脱いでいく。

 後ろで、クラーナが服を脱いでいると思うと、なんだかドキドキした。

 見えなくても、ドキドキするのは変わらないようだ。


「ぬ、脱げた?」

「ええ」


 服が脱げたので聞いてみると、そんな答えが返ってきた。


「それじゃあ、入ろうか」

「そうね、入りましょう」


 私とクラーナは、洗い場へと入っていく。

 クラーナの体は、なるべく見ないようにしようと思ったが、どうしても目に入ってしまう。

 それは、クラーナも同じようで、私の色々な所に目を向けているようだ。


 一緒に入るという選択をした時点で、こうなることはわかっていたはずなのに、何故か私達はお互いに後ろめたさを感じてしまっていた。


 洗い場に入って、私達は体を洗うことにする。

 そこで、クラーナが思わぬ提案をしてきた。


「今日も洗ってあげるわ」

「え?」

「背中を流してあげるということよ」


 私は一瞬疑問を感じたが、背中を流してくれるだけのようだ。

 それなら、別に問題もないだろう。


「あ、じゃあ、私もクラーナの背中を洗うね」

「ええ、お願いするわ」


 こうして、私達は背中を洗い合うことになった。

 ここは、昨日洗ってもらったことだし、私から洗ってあげよう。


「クラーナ、昨日のお礼も兼ねて、今日は私から洗うよ」

「そう? それなら、お言葉に甘えようかしら……」

「うん、どうぞ」


 私の言葉を受けて、クラーナが私に背中を向けて座る。

 スラっとした綺麗な背中だ。

 昨日も思ったことだが、クラーナの体は美しいと思う。


「あ、洗うね……」

「ええ」


 そんなことを考えながら、私はクラーナを洗ってあげるのだった。

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