第二部。しかしきつねはあまり気にしない。

第48話 オークとか鉄鉱石とか。きつねよくわかんない。

 

「んー、鉄鉱石の輸入量が限界になってると」

「そうでありんす。そもそもテリヤキにはそんなに多くない量の鉄鉱石しか見つかって無いようでありんす。これ以上の規模の製鉄するには、他から輸入するなり、見つけるなりしないとだめでありんすな」

「んー、となると……」




「ソラちゃんの国から輸入、もしくは北の大地から採取、でありんすなあ」




「んー、つまりはオーク軍団と全面戦争か」

「で、ありんすなあ」


「ハルキ君呼んで、兵士の質を確認したい」




「はい、ハルキがここに。しかし砦の四階まで階段は疲れますね。エレベーターが欲しいです」

「あとで取り付けようか。大工さんが作ってくれるはず。魔法陣も、大規模魔法陣に干渉しないレベルでなんとかなるっしょ。それで」


「はい、兵士ですが現在20名ほど。ケンタウロスが14名おります」

「ふむ。武装は?」

「鋼鉄製の槍とショートソード、鎧は鋼鉄製の部分鎧ですね。下に鋼鉄の糸を織り込んだ服を着ているので、装甲は十分だと言えます。ケンタウロスは現在最重騎兵となるための装備を作成中です。双方ともに遠距離武器として魔道銃の作成をエルたんにお願いしております」

「なるほど。鋼鉄が色んな所に普及しているねえ。そういえばゲリラ戦を仕掛けてるよね、首尾はどうだい?」

「はい、そもそもオーク軍団が結構遠く北の方に生息しているため、目立った成果は上げられていません」


「ありゃーそうなんだー。偵察はどうなってるん?」

「完璧というわけではないのですが、把握は出来ました。オーク一部族の集落といったところですね。部族一つですから、相当な強敵です。この兵士数では難しいでしょう」

「そっか。やっぱりヒメちゃん国家であるニクジャガ経由でカクニ入りし、そこで襲撃してるオークと攻防戦をして……それじゃ怒らせるだけか。うーん、ちょっと読めないね。ニクジャガへの道は急ピッチで進めよう」




「うん、兵士の質はあれど数が足らない。とりあえず鉄鉱石はどうにもならないね。今の輸入量でやっていこう」




 さて。



 やること決まると、市長ってやることねーんすよな。うにょろうにょろ。しっぽダンス。




 突っ込んでくれる人もいねーんすよな。錬金術やっておくか……



 魔法学校出たおかげで錬金術もばっちり。今じゃ上級ポーション作ってます。冒険者がいる世界って感じがしますねーポーションって。居ませんけどこの世界に冒険者は。

 んで、上級ポーションの材料は身近にあって春なら取り放題ですね。すげーなこの土地は。

 上級ポーションってやつは、傷薬と解毒薬と魔素回復、防毒なんかに分かれています。傷から細菌が入って破傷風なんかにならないのはこういうポーションのおかげなんかなあ。

 傷薬は不思議パワーっすね。不思議と止血され、不思議と血液が戻ってきます。不思議だ。

 魔素回復はそのまんま、魔素をため込む性質のある植物及びその成分を非常に濃く濃縮しているので、飲めば体内魔素が一気に回復するという物。


 どれも、劣化する時間が長くなる〈恒久化〉をすることができるので(えっへん)恒久化して武器倉庫の中へ。兵士さんや狩猟組に持たせるわけっすよ。負傷の危険は常に付きまといますからね。


 よし、今日のノルマも終わったし今日は鍛冶屋さんの見学にでもいこうっと。キュウちゃーん。


 キュウちゃんに乗って颯爽と鍛冶工場へ。もう鍛冶場っつーか鍛冶工場なんよねー。


 ここにはもうカジコが専任で張り付いてはいません。あの娘はどちらかというと精錬の方に周っちゃったね。ここは彼女の弟子たちが回している感じ。


 奮発して買った魔導自動ハンマー機や、鍛冶工場の大きな炉群(よくわかんねーネーミングセンスだな)、焼入れ焼き戻し場など、鍛冶なら一通りできますね。

 あと鋳造工程も出来ますな。矢じりとか、鋳造で一気に大量生産できる。


「ほー、ショートソードなんかは、あらかた自動ハンマーでぶっ叩いちゃうわけですか」

「はい、細部の叩きを行って、やすりに出します。ベルトやすり機が早く欲しいですね」

「ほいほい。まあお金貯まったらね。防具はさすがに手作りなんかい?」

「いえ、これも大枠は自動です。細部の詰めが手作りになってますね。身体に合わせるのでどうしても手作りになってしまいます」

「そっかー。全部揃うのにあとどれくらいかなあ?」


「そうですね、夏の半ば位には」


 そっかー。やっぱり夏かあ。木こりさんが急ピッチで北西の道を開拓開墾しているけど、すぐには貫通しないだろうしなあ。二年くらいかかるかなあ?

 逆に、その間に兵士を増やすことが出来るってことでもあるよね。メリットデメリットあるね。


 しっぽダンスしてもだれも見てくれないので、次はもーもーさん。牛です。超古代文明の牛さんなので、肉質良好ミルクの出も良好ですね。

 ハラミが仲間を見る目で見ているけど、きみは違う、モンブツだ。超古代文明の牛でも、二足直立歩行している牛はいない。


 次はひつじ。めえめえ。100頭を超えるくらいまで増えたので、毎年成長したひつじの肉であるマトンを大量生産できるように。雄は2回ウール取ったら潰す感じだねー。雌は2回繁殖させたら潰す。雌はさすがに美味しくないので色々やって堆肥にしちゃいます。色々やれば堆肥にできるんだよ!!


 あ、牧羊犬を数頭購入したそうです。みんなボーダーコリーみたいな犬?なんかめっちゃくぁいいし、めっちゃ頭いい。多分私より頭いい。ぐぬぬ。


 というわけで


 木こり。 北西の開墾を開始。

 モロコシ。食料自給率250%。キャベレン草という副菜も生産開始。

 狩猟。 順調に皮と肉を供給。魔導猟銃は順調に生産している。

 錬金。 宝箱から魔法鉱石を買っているため赤字。しかし必須な部門。ポーション生産中。

 製鉄系。現状最大量の鋼などを生産中。輸出量絞ってるけど貿易に出していてかなり高値で売れている。

 石材。 石材というか、各種資源の採取部隊に。

 岩塩。 まだまだ現役じゃぞい。


 という感じですかねー。ここから武具生産など枝分かれしていくけどそっちは省略。


 さーて、どうやってもっと繁栄させましょうか!

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