第3話 戦闘
さて出ちゃったので戦闘です。
集中!!
方向は右後ろ、耳がそうとらえてる。足音からして2匹。犬系かな。臭い嗅げればな。あっちが風下、狩猟のセオリー通り。
とりあえずいしつぶてをするために石を拾う。これで果実は半分ほど落っこちてしまった。ぐぬぬ。
しっぽはピーンと張ってる。そういえば、しっぽの力でまっすぐ進んだり急な方向転換がしやすくなってるね。森の中でも木にぶつからないよ。しっぽって偉大。人間にもあればよかったのにねえ。きつねって天才なのかな?
話がそれた。私は前に進むよ。仕掛けてくるのはあっちのほうだから、こっちが変な動きをしちゃいけない、という感が働いてる。きつねの勘は鋭いのだ。いや、まじでまじで。
歩くこと10分、犬が距離を縮め始めたよ。そろそろかなあ、怖くなってきた。意を決して私は走ることにしたよ。犬も追随してきてるけど、一匹は早々に脱落しそう。長時間速く走れるのは人間の最大の特徴だからね。それをきつねパワーできつね速度で走っているんだから犬だって諦めるっしょ。
一匹が完全に脱落、もう一匹も諦めそうかな? スタタタタタタ
くそ、息が上がったのはこっちが先だ、きつねの力を得たといっても元々の人間部分は貧弱だったから……。
やりますか。戦闘です!!
私は犬に振り返って待ち構えます。
犬は速度を上げたまま突進してきたぁぁぁぁこわい。ビビりを抑え込み、横ステップ回避!! しっぽの効果でステップが楽だ! 振り向き様の犬に持っていた石を投てき!! ガツン! おお、右わき腹に当たりました。怯んだものの、大勢には影響なさそう、ガックリ。
犬は今度は首にかみつき攻撃。これは回避できず。私は倒れこんで、そのまませめぎ合いに。今……必死に腕で抑えているけど、抑え込めそうにない。
どどどどうしよう。何かないかな、何か。
そうだ、魔法だ! えーとえーと、こういう時は……あばばば考えられない。えーとえーと!!
というところで抑え込みができなくなって首筋にかみつかれました。ぎゃふー!!
グオングオン首を振って私の首筋を食いちぎろうとする犬。あふれ出る血潮。
やっべーよこれ!
〈ええい!もうなんでもいいから魔法で突き刺せ!!〉
と心の中で叫んだら。
尖った石が出現して犬の脳天に思いきり衝突!! あふれ出る血潮。ぐっさりいっているので脳みそまで届いた感じが。
さすがの犬も、脳みそをやられてはどうしようもない。私の首筋に食らいついていた牙がぬるりと外れるように犬はその場に倒れこみ、痙攣して動かなくなったよ。
勝利!!
といっても、私は首を裂かれているので出血がひどいです……死ぬ……なにか、なにか生き残れる、サバイバルできる技術をください、市長の加護様……。
……感によると、犬の血液や肉を食べて自分の血肉とし、体内にある魔素を吸収すれば回復魔法が間に合いそうっぽいです。ついでに本日の食料にもなる。
ええ……。
食べるの……。
ええ……。
私女の子……。
ええ……。
ほんとに……。
この身体18歳くらいってエメラルドの石に言われたんだけど……元々の年齢はさんじゅ……げふんげふん。
18が食べちゃうの……。
まじで……。
生だよ……。
ガブリ、ムシャムシャ、ガブガブ、ムシャムシャ……。
――
おはようございます、大泉桜です。えー、すっかり元通りに回復いたしました。回復にも加護がかかっているのかな? とりあえず瀕死から回復です。
【瀕死から回復したら戦闘力が大幅に向上する戦闘民族技術】持ってるといいな☆
残っていた傷はなんとなく薬草ってわかる薬草を採取して、口で磨り潰して患部に擦り付けて治しました。なんとなくレベルでも、この世界の情報が分かったのは便利だね。
口噛みで磨り潰しましたが、口じゃ口内衛生の関係でフルに薬草の効果を使えない気がします。乳鉢と乳棒あるといいですねえ……。ポーションの大元くらいなら作れるみたいですし。
血が付いている衣服ですが、血を嗅ぎつけられるリスクがありますがそのまま着て、また川の先を追いました。
森に入って数時間、ついに森を抜けましたー!ばんざいばざーい、しっぽぽよよんぽーん!
そして森を抜けた所には、なんと!
木を伐採している集団がいました! 多分付近の開拓団の人たちです!!
うっひょー!
「こーんにーちわー!」
猛ダッシュで駆け寄ります!
「おわ、なんだおめえ。血の付いた衣服で。どしたよ?」
「かくかくしかじかで」
「なるほど、とりあえずリーダーの所に行ってくれ。一人護衛を付けるから。」
ということでリーダーのところに向かうことになりました。どんな人でしょうか。
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