夜空星空2-2

 とにかく寝支度だけでもしよう。


 リュックの整理をして壁に立て掛ける。

 空になった銀袋は相棒に収納すれば再利用できる。


 問題はどこで寝るかだが――

 どこで寝るにしても床が固くて寝心地が悪いか。


「レイヴン、不用品の回収と寝袋をお願い」


 相棒はぼんやりとした青い単眼を点けると、しばらくメアリの方を見て。


「2つですか?それとも1つで2人?」

「ほう、冴えているねぇ。2人分だよ、まったく」


 銀袋をレイヴンの前に置くと、空間の揺らぎと共にそれは消える。


「ところで、使い勝手の良い野外寝具がありますが?」

「そう?例えば?」

「ウォーターベッドなら水もありますし、すぐにお出ししますが」


 しばらくこのドムスを使うのならアリか。水を抜けば小さくなるし。

 その間に後ろで声がしたと思ったら、メアリが会話に反応してこちらに来ていた。


「何の話?」

「そろそろ寝ようと思ってね。寝支度の相談」

「そっか、光っているから見えるけれど、ほんとは夜なんだよね」


 中庭から星空を見上げるメアリ。

 彼女が手を使ってこちらに来たのか、尾の力だけで来たのかは確認し損ねたが、ワンピースのスカート部分を擦ったようには見えない。


 スカート丈に関しては、人間でいう膝下ぐらいで問題なさそうだ。

 だが、メアリの陸での移動方法についても考える必要はあるか。


 私が毎度彼女を抱きかかえて移動するのも無理がある。

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