夜空星空2‐3
そちらも考えるとして、まずは――
「メアリ、寝るのは水と陸、どっち?」
私はプールと床を交互に指さして尋ねる。
その質問にメアリは少し悩んだが、「そっち?」と私のいる側を選ぶ。
「了解、じゃあ、レイヴン。そんなワケでベッドは2つお願い」
そう言った次の瞬間には、シート状に畳まれたベッドが出てくる。
取り出すのではなく、作り出すのには時間がかかると思ったのだが。
「仕事が早いね」
『先程2つ分作っておきましたので』
ベッドの話題を出した時点で作っていたのか。
私は相棒に「気が利くね」と言いつつ、メアリにシートの一辺を持ってもらう。
そして私はもう一辺を反対側に広げながら、相棒が出したホースとベッドの注水口を繋ぐ。それからすぐに水を――。
『その前に損傷防止用のマットが必要かと。場所を選んでください』
レイヴンに忠告される。言われてみればそうか。
針の上に水風船を置くところだった。それに水を入れた後で運ぶのは厳しい。
星空が見えるようにプールサイドにマットを敷き、その上にベッドを置く。
2つ並べたそれにレイヴンが注水すれば完成だ。
「これ、水なの?」
「ああ、中身は水だよ。水をクッション替わりにして寝ようってワケ」
私がその上に寝転ぶのを見ると、メアリも隣のベッドに乗る。
そして何やら不安気にベッドをつつく。
水の上に乗れるという感覚がなかったらしく、落ち着かない様子。
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