嘘の種類2‐2
「ジェイ?通り過ぎていますよ」
いけない。
うっかり、路地を曲がり忘れた。
ホースを辿りながら戻っていたはずなのに、心ここにあらずだった。
何にせよ、
ぶっつけ本番の片道切符。それを
それが博士だ。
今度はちゃんとドムス前まで戻ってきた。
ドムスの入り口は真っ暗で、中庭も
その向こうで水の流れ出る音。
「戻ったよ!」
試しに声をかけてみる。すると、ぱしゃんと水の飛び散る音と一緒に「ジェイ!」とメアリから返答があった。
真っ暗になった玄関を抜けて中庭に出る。
抜けた先のホールも、中央以外はすっかり暗い。
ただ、中庭のプールだけは水の
その揺らめきに光を与えるのは差し込む夜空の光か。
「ここだよ、ここ!」
私の姿を確認したのか、メアリはプールから手を振る。
そんな彼女の姿は暗い中でもよく見える。広場の地下もそうだが、そこだけ光が差し込むとより強調されて見えるのだろう。
笑顔の彼女を見て安心する私自身があった。
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