第171話 差し入れは

マリアネはこなかった。ポップコーンを抱えて来たのは、出店の仲間の料理人。

「もう、大好評で!」

少し興奮気味に、二袋、机の上へ置いた。

「そりゃ結構」

袋を覗いたら、醤油の匂い。うん?二種類なの?

「醤油もいいって言ってたから、出してみました」

ああ、そう。

「唐揚げとポテトが売れ残りそうな勢いで」

醤油の匂いのする袋へ手を突っ込む。二つ三つ摘まんで口へ放り込む。んま。

「味付け用の鍋を別にして、どんどんポンポンさせて」

何でも上手いわ、ここの連中は。初回から失敗とかしない。

「もう、売れに売れました」

ああ、そう。

「浮かない顔ですね?」

「浮くわけないでしょー、遊びに行けないのに」

賑わってるポップコーンの店も見に行けない。

「あっ…、それはすみません」

城の関係者なら、みんな軟禁は知ってる。だから差し入れ、持って来てくれたんだろうに。

意地悪言っちゃったかなぁ。

「差し入れ、ありがとう。明日も頑張って売り上げてね」

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