第157話 聖女格差
隊長が語りだした。
自国で今までに召喚した「聖女」様のこと。
その姿は黒い肌、黒い瞳、縮れた髪。
え?それって国に寄って呼び出し地域が違うん!?
パイポーリーは日本からで、隊長さんとこはアフリカ辺り?
「パイポーリーへおいでになる聖女様は、常に何かしらの大きな恩恵をもたらして来ました」
地域格差かぁ。アフリカで貧困地帯じゃ、女の子に勉強なんて無理筋だもん。
「しかし我が国の先代聖女様は、大変素晴らしい方でした。子どもの頃、お会いしたことがあります」
へー、そうですか。
「…ですが、いらして二年目の嵐の日に、川へ身を投げられました」
分からんでもない。べったりヒルに張り付かれて、チューチュー吸われてるようなもんだし。
「己の未来が無いことを悟ったんでしょ」
「それはどういう「だから自分の人生を失ったってことよ」
直近の聖女様は富裕層の子女だったんだろうか。
明るい未来、叶えたい夢。
それがこの世界で吸い尽くされる。その絶望、如何ほどか。
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