第117話 組合イベント(案)

電話が鳴る。

『職場長いますか?』

「いえ、出てます」

『アンケート、聞いてます?』

夏の組合主催イベントに何をしたいか、アンケートが来てた。

「去年と同じで良くないか?とか言ってましたね」

スケボー大会だった。

『インドア派から不満があるんですよ』

それは毎年のこと。夏場のイベントといえば大抵キャンプとBBQ。屋外とはいえ去年、初めてそうじゃなかった。そういえば。

「確か新しく出来たスケボー施設、近くに大型ショッピングセンターがあったよね?映画館併設の」

オリンピックの競技になってから、各地の専用施設オープンのニュースが流れてる。

『ありましたねぇ』

電話の向こうから苦笑が伝わってくる。

『夏にウチの組合で補助が出せるといいんだけどな』

映画の優待は秋にやることが多い。

「連合の補助なの?」

『そう、文化の日に合わせて出してる』

そうか、ウチの組合で出してる優待じゃないんだ。

『とりあえず、アンケート出してくれるよう、お願いします』

「分かりました、伝えときます」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る