第15話 探険だ

自転車出来るの待ってる間に、もう一度街へ行きたいと思ったが。

残念、雨だわ。

「ねー、エーちゃん、お城の中ってどうなってるの?」

エーリーズは一瞬嫌な顔をした。だよねー。

止めてもうろつくけどさ。

「じゃ、隣の部屋から行ってみようか」

ため息を吐いて、ドアを開けてくれた。

ごめんね、好奇心旺盛で。でも、おばちゃんってそういうものだし。

そこへ兵士がすっとんできた。

「お部屋へお戻りください」

「い・や!そこ退いて」

ずい、と一歩踏み出すと、渋々下がる。さらに一歩。そうそう、最初から前ふさがなきゃいいの。

そのまま隣の部屋のドアまで。

ドアノブはガチンと引っ掛かった。

「鍵かかってる…」

また一つため息を吐いて、エーリーズは鍵を開けてくれた。

中は、自分とこと同じ。客室階なのかな?

入り込みはせず、次のドアへ。隣の鍵を閉めたエーリーズが、また開けてくれる。

やっぱり中は同じ。

「エーちゃん、ありがとね」

軽く走ってドアを数える。8枚のドア。Uターンして十枚目が自分の宿泊用。逆方向も同じぐらいの部屋数かな。

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