復讐者はこの世界でも頂点を目指す

くまけん

第一章 〜はじめまして、魔術師達の異世界〜

第1話 「魔術の支配する世界と、神官の少女との出会い」

 途切れた意識が戻った時、最初に俺の目を奪ったのは光だった。ギラギラと眩しく、それでいて優しい熱を運ぶ日の光。初めて浴びる光のはずなのに、慣れ親しんだ暖かさを感じる。青い空も、白い雲も、辺り一面に広がる緑の草原も、どれもこれも見た事ないのに見慣れている。だけどここは俺の知る世界じゃない。

 ここが異世界だと、俺は確信を持っていた。


「こんにちは。旅人の方ですか?」

 声をかけられて、俺はゆっくりと背後を振り向く。緊張と安心が同時に襲ってきた。緊張の理由は、見知らぬ場所で見知らぬ人との邂逅。安心の理由は、俺の知ってる言語だったからだ。

「あ、あぁ。旅人……だと思う」

 良かった。会話は出来る。と言っても、先生以外の大人と話すのは久しぶりすぎて上手く声が出なかった。見ず知らずの俺に声をかけてきた奇特な女性は、背丈こそ俺と大差ないけども、大人な雰囲気を醸した美人だった。

「まぁ! 歓迎致しますわ。ここは空気が美味しくて美しい街でしょう? 是非ごゆっくりして下さいね。どこからいらしたの?」

 彼女はニコニコと機嫌よく会話を広げた。その質問に、どう答えるべきか……。取り繕ったり余計な嘘を吐くような器用さは、俺には無かった。だから正直に答える。

「ここじゃない別の世界から来た。って言ったら信じるか?」


 彼女は一瞬きょとんとした顔をした後、すぐに合点がいったようで頷いた。

「異世界からのお客様ですのね。遠路はるばる、よくお越し下さいました」

 彼女は俺に境遇に驚きはしなかった。さも当然の事のように受け入れて話を続けている。

「驚かないのか?」

「何故? 珍しいお客様ですけど、驚くような事でもありませんわ。私も子供の頃、異世界の方とお会いした事がありますの」

「俺が嘘を言っているとか、考えないのか?」

「嘘でしたの? そうには見えませんでしたわ」

「いや、嘘じゃないんだけど……」

「やっぱり。あなたは嘘を吐く人ではありません。えぇ、きっとそうです」

 何を根拠に断言するのか。彼女の自信ある態度に、調子が狂わされそうだ。少なくとも彼女は、俺の話を素っ頓狂なホラ話だとは思わないらしい。


「申し遅れました。私、ペトリーナ・コルティと申します。はじめまして、異世界の方」

「俺はアレイヤ。アレイヤ・シュテローン」

「アレイヤさん。素敵なお名前ですね。アレイヤさんはこの街にどのようなご用件でいらしたのかしら?」

 俺がここに来た理由。そんなものは無い。成り行きで、仕方なく来てしまっただけだ。

 だけど。俺がここにいるべき理由なら確かにある。

「ある男を殺すためだ」


 ペトリーナは言葉を失っていた。俺が異世界人だと聞いても驚かなかった彼女が、「信じられない」と言いたげに目を見開いている。

「アレイヤさんは……人殺しのために私達の世界に?」

「結果的にそうなるだろうな」

「だ、ダメです! そんなの! 神様はお許しになりませんわ!」

「神様?」

「メリシアル神です! この国の神様……罪人を裁く六大神ろくだいしんが一柱。きっと異世界の人と言えど、許しては下さらないはず。どうか、考え直して下さい!」

 ペトリーナは真に迫る語気で訴えてきた。いきなり大声を響かせられてこっちが腰を抜かしてしまいそうだったが、彼女の言い分は正論だ。

 人を殺してはいけない。それは世界が違えど共通の道徳なのだろう。

 俺も俺でどうかしてた。この殺意を、会って間もない人に易々と打ち明けるなんて。


「ごめん。忘れてくれ。今のは、その……嘘だ」

 「嘘だ」という嘘で誤魔化し、話題を逸らそうとした。昔から嘘は苦手だった。

「そうなのですか?」

 納得とは縁遠い眼差しで俺を見るペトリーナ。掘り下げられても困るし、俺は慌てて質問した。

「そ、そう言えば、ここはどんな街なんだ? 名前とかあるのか?」

「名前はもちろんありますよ。ハンドレド王国メリシアル教轄領きょうかつりょう。皆さん、『癒しの街』と呼んで下さいますわ」

「うん、聞いた事ない街だ」

 世界各地について先生に徹底的に教わったこの俺が、全く知らない地名。ここが異世界である事の証左でもあった。

「ふふ。でしょうね。ここは温泉がたくさん掘れますし、回復魔術の聖地でもあります。異世界の方もきっと楽しんで頂けますわ」

「魔術?」

 聴き慣れない単語が流れたが、深く言及するまでもないとばかりにペトリーナは話を続けた。


「アレイヤさんは今晩泊まる宿はお決まりですか?」

「いや」

「でしたら、私の家にいらっしゃいませんか? 宿屋くらい絢爛ではありませんが、お客人のもてなしは心得ていましてよ」

「そんな。気遣ってくれなくても」

「もしかしてこちらの世界にお知り合いがいましたか? お知り合いの方とご一緒が良いのでしたら、過ぎた真似を致しました」

「そういう訳でもないけど……」

 知り合いがいるか否かと言われれば、いるはずだ。でも、あいつの元で世話になるなんて死んでも御免だ。そもそも、あいつがどこにいるかまだ分からない。本当こっちに来たかどうかも定かじゃないし。

「アレイヤさんはこちらの世界の通貨はお持ちですか? お持ちでないのなら、野宿するのもお辛いでしょう。遠慮なさらずに。謝礼などは不要ですわ。『居場所無き者に居場所を』が、メリシアル神のお教えですから」

「じゃあ……そこまで言うのなら。お言葉に甘えさせてくれ」

 正直、何故ペトリーナが俺にここまで優しくしてくれるのか不思議だった。ペトリーナの性格ゆえか、『メリシアル教』とやらの教えのためか。いずれにせよ、無償の優しさに違和感があったのは否定しない。

 だがそれ以上に、今後俺がどうなるかという不安が大きかった。見知らぬ世界で、頼れる仲間や家族は誰一人としておらず、藁にも縋りたい気持ちは本心だった。

 ……元の世界に戻ったとしても、頼れる家族や仲間はもういないが。

「ふふっ。決まりですね! 異世界の殿方とお話するなんて久しぶり。楽しみですわ!」

 ペトリーナの笑顔は屈託なく、こんな俺には勿体ない程に慈愛に満ちていた。


 ペトリーナに連れられて、俺は癒しの街の大通りを歩いた。商店が立ち並び人々の往来の激しいこの街は、俺の目には都会に映った。ペトリーナの基準ではどうなのかは知らないが。

「ペトリーナさん! こんにちは!」

「ペトリーナちゃん! この前はありがとね!」

 街行く人とすれ違う度に、ペトリーナは熱烈な挨拶をされていた。ペトリーナはそれに微笑んで挨拶を返す。

 老若男女問わず、ペトリーナはこの街の人気者らしい。彼女の人格が人望を呼んでいるのだと、聞かなくても悟れた。


「私、メリシアル教の宮守みやもりの娘ですの。アレイヤさんの故郷にも、宗教はありましたか?」

「あったけど、俺は神様を信じてないんだ。悪いな」

「謝る事ではありませんよ。誰が何を信じるかは自由です。メリシアル様もそうおっしゃってます」

 自由な宗教なんだな。ところで、「宮守」って何だろう。神官の役職の類だろうか。

 この世界では聞くまでもない常識かもしれない。それをわざわざ解説させるのは迷惑か? 恐る恐る尋ねてみると、ペトリーナは嫌な顔一つせず答えてくれた。

「宮守は『神降宮じんこうぐう』を守護する仕事です。魔術国家には必ず一つ存在していて、王家から直々に任命される誇り高き職務なのですよ。ふふん!」

 ペトリーナは自慢げに鼻を鳴らした。「よくぞ聞いてくれました」と顔が語っている。

 彼女が嬉しそうなのは結構だけど、また謎が増えた。神降宮? 魔術? この世界には、俺の知らない常識がある。


「見えてきました。あそこが私の家です」

 ペトリーナが指差す先には、大層立派なお屋敷があった。敷地の規模も、建物の豪華な装飾も、他の民家とは一線を画している。

「すごいな」

 ペトリーナの家を見て溢れ出した感嘆を上手く言葉に出来る程の語彙力は、俺には無かった。気取った台詞は、嘘と同じくらい苦手だ。

「そんな事ないですよ」

 ペトリーナはさらっと流して屋敷に入る。謙遜かどうかは判別出来なかった。


 神官の家だからか、室内には神を象徴するような像や絵画がいくつも見られた。メリシアル教はよく知らないが、偶像崇拝を認めているのは確かだ。

「あ! ペトリーナ姉ちゃん! おかえり!」

 廊下の奥から、少年が元気よく駆けてきた。5歳くらいの子だろうか。ペトリーナを見るや否や、安心を全身で表現して抱きついてくる。

「えへへ。ペトリーナ姉ちゃんあったかい!」

 少年がペトリーナの豊満な胸に温もりを感じていると、「こらー!」と嗜める少女の声が。

「ペトリーナ姉ちゃん独り占めしちゃだめ! あたしもだっこしたい!」

 同じく5歳くらいの少女は、ペトリーナの背中に飛び乗った。ペトリーナは「まあまあ。甘えんぼさんね」と子供達を撫でた。


「弟と妹か?」

「そうですね。血は繋がっていませんが、私にとっては本当の家族と同じです」

「え?」

「この子達は孤児なんです。戦争で親を失って……そんな可愛そうな子供達に居場所を与える。それがメリシアル教の神官として、私がすべき使命です。私、孤児院の院長なんですのよ」

 戦争。穏やかじゃない言葉だ。この国は戦争をしているのか。俺の故郷と同様に。

「偉いな。ペトリーナは」

「いえ。私にもっと戦う力があれば、この子達の親を守れたかもしれません。私は……褒められるような人間ではないんですわ」

 一瞬だけペトリーナの顔に影が宿り、すぐさま子供達に笑顔を向けた。

「さぁ。イブ、オリオ。今日はお客様がいらっしゃってますよ。歓迎パーティーの準備をしなきゃ」

 ペトリーナが手を挙げると、イブと呼ばれた少女とオリオと呼ばれた少年は同時に返事をした。


 街の人々から好意を持たれ、大きな屋敷に住み、孤児院まで経営しているペトリーナ。出会って数十分も経ってないのに、この人の只者ならざる雰囲気は増すばかりだった。

「へぇ。アレイヤさんは14歳なんですか。まだお若いのに異世界に旅に出るだなんてご立派ですね」

 俺を客人用の部屋に案内しながらも、ペトリーナの口は回り続けた。よく喋る人だ。さっきから俺は質問責めにされている。

「立派になりたくて来た訳じゃない。無理矢理飛ばされたんだ。そう言うペトリーナは? いくつなんだ」

「この前18になりました」

「大人なんだな」

「いいえ、私なんてまだ若輩者ですわ。お父様のような高明な神官にはまだ遠く、修行中の身です。あぁ、そうですわ。お父様にもアレイヤさんをご紹介しないと。お父様は旅の方のお話が大好きですのよ。アレイヤさんの故郷の話もきっと喜びます。何て街からいらしたのでしたっけ? アレイヤさんは」

「ベルフレム自治区ってとこ。ライムーン大陸の一国で……って、名前を言っても分からないよな。ごめん」

 ペトリーナが聞きたいのは地名じゃなく、俺がどんな物を見てどんな事をして育ってきたか……そういう、文化や特徴の話だろうな。俺にそんな話が出来るかは不安だけど。

「ふふっ。アレイヤさんが話したい事から話して大丈夫ですよ。時間はたっぷりありますから」

 そう、時間はあった。日は未だ大地を明るく照らしている。ふと部屋の掛け時計を見ると、12時を少し過ぎた頃だった。

 日常的な時刻確認を終えて、俺は気付いた。俺の世界にあった時計と、全く同じ手法の時刻表記だ。

「これが……『同軸』の異世界か」

 思わず呟いた。先生に教わった異世界転移現象の知識が、まさか本当に役立つ時が来るなんて。あの頃は、どこか遠い世界の無関係な話だと高を括っていたけど。


「おお! 君が異世界から来た少年か! いやはや、小柄ながら凛々しい顔をしておる! いや失敬、余計な事を言ってしまったな。ワシはズォリア。ペトリーナの父だ。はじめましてだなお客人!」

 昼食の席にご一緒させてもらって、俺はペトリーナの父親と対面した。歯を見せて笑う、随分と上機嫌な大柄の男だった。

「よ、よろしくお願いします」

 緊張しつつ俺はズォリアの差し出した手を握った。ペトリーナと全然似てないな。でも、よく喋る性格だけはそっくりだ。

「まぁ座れ座れ! 今日はたまたま大物が釣れてな! ワシらだけじゃ食べきれんと思っていたところだったが、ちょうど食べ盛りの男の子が来てくれたもんだ! 保存魔術を使えって? そんなの味が落ちるだろうよ! ガハハハハ!」

 何がおかしいのか分からないけど、ズォリアは大声で笑った。机に置かれたどでかい皿の上には、それ以上の大きさの焼き魚が乗っていた。ズォリアの身長よりもでかい。まさしく怪魚だった。

「釣ったんですか……これを」

「近年稀に見る大物だ。これもメリシアル神の御加護だな!」

 ズォリアは席に座り、腕ほどの長さのナイフで器用に大魚を捌いた。俺の前にも焼き魚の肉塊が置かれる。

「わー! お魚!」

「おっきい!」

 香ばしい匂いに誘われて、イブとオリオが食卓にやってきた。知らない女の子も一人、一緒に座っている。

「さぁ、いただきましょう。今日も恵を下さった、神に感謝を」

 ペトリーナは座って両手を握り、目を瞑って天を仰いだ。多分、祈りのポーズだ。ズォリアも子供達も同じように祈っている。俺も慌てて真似をした。


 食事……。

 食べるのは大切だ。どんな境遇だって腹は減る。食わないと生きていけない。

 分かっている。だけどどうしても俺は……。


『い た だ き ま す』


 あの声が、耳から離れない。


「……ごめん、ペトリーナ。腹減ってないんだ」

 また嘘を吐いた。俺は食卓から目を逸らし、逃げるように背を向ける。

「そうなの? 食べてから来たのね?」

「そういう訳じゃ……そんな事より、ペトリーナ。俺に何か手伝える仕事は無いか? タダで泊めてもらうなんて、やっぱ悪いよ」

 ペトリーナの優しさに甘え続けるのも逆に辛い。気遣いも、慰めも、無関係なこの人に求めてはいけないんだ。俺はここで居場所を築きたい。あいつに再び会う、そのために。

「気を遣わなくていいのに。私、あなたを働かせるつもりで呼んだ訳ではありませんのよ」

「頼む。俺がやりたいんだ。家事手伝いでも子守りでも……そうだ、用心棒とか要るか? 俺、戦いには慣れてんだ。先生に教わったし、戦争にだって前に……」

「それには及ばんさ、アレイヤ少年」

 俺の言葉を遮ったのはズォリアだった。驚く事に、もう魚を半分近く平らげている。

「うちには既に護衛魔術師が何人もいる。君は知らんだろうが、我が一族は国家お抱えの『神降宮』守護者だ。宮守、という言葉はもう聞いたか? ワシらはの、神様が降臨する宮殿を後世に残さねばならない。だから王家から戦闘部隊を派遣されとるし、ワシも自慢じゃないが指折りの魔術師だ! これ以上の戦力は要らんし、ましてや客人を戦いに使おうなどとは思わん」

「あの……さっきから気になってたんですけど、『魔術』って何ですか」

 俺がそう尋ねると、一瞬空気が固まった。「何言ってんだ」とみんなが呆れ顔をしていた。ズォリアはしばらくすると合点がいったようで、「なるほどなるほど。君の世界には魔術が無いのか」と頷いた。

「つまり、君も魔術師ではないと。ならば尚更だ。魔術も使えない子供を、戦いの場には置けんな。話は以上だ。どうしても働きたいのなら、掃除でも頼もうか。ワシの部屋汚いし。ガハハハ!」

「待って、話はまだ……」

 俺が食い下がろうとすると、ペトリーナが俺の裾を引っ張った。

「アレイヤさん」

 その、心の奥から心配するような善意の瞳に。

「あなたを危ない目に合わせたくはないの。戦いはお父様達に任せて。ね?」

 俺は、首を横に振る事が出来なかった。


 部屋に一人佇んで、やっぱり俺はさっきのやり取りが忘れられない。

 この世界に常識として存在する、『魔術』。俺には扱えない、戦闘の技術。

 先生は教えてくれなかった。あの、何でも知ってる先生が。先生ですら見た事が無かったのか? だってここは異世界だから。


 でも俺には、魔術が無くても戦える。そのための訓練は死ぬ程繰り返してきた。

 俺はペトリーナに頼んで貰った林檎を掴み、意識を腕に向ける。

「……《あく》」

 林檎は俺の手に握り潰され、果汁は床を汚した。大丈夫だ。俺は変わってない。俺があの学び舎で積み上げてきた技術は、一片も衰えてない。

 これを見せればズォリアは態度を変えるか? 多分、そうはならない。俺がこの世界でどれだけ通用するか、俺自身もまだ分からないのに。


 そもそも、用心棒なんて不要な世界が一番平和だ。何故俺は戦いを求めている? 凄惨な光景を見た後だから、それが普通だと思ってしまっている。こんな俺は異常だ。あんな地獄も異常だ。俺はもっと、もっと。

「みんなと笑って暮らしたかっただけなのに……」

 ここに来る前の記憶。最悪の時間を、俺は脳裏で反芻した。忘れたいけど忘れちゃいけない。奴への復讐心を、捨ててはいけないんだ。


 ペトリーナの言う通り、戦場を任されるのはプロだけでいい。戦場から離れた穏やかな街には、それに似合う日常があっていい。俺の前には今度こそ平穏な日々が待っているはずだ。

 そう願っていた。


 次の日目覚めた瞬間から、異変には気付いた。言葉には表し難い感覚。第六感とも言うべき何かが叫んでいた。

 それを言語化すべく、俺は《擬犬鼻演ぎけんびえん》を発動させる。一気に強化された嗅覚が、真実を明らかにした。

「知らない人間の匂いだ……。それに、ペトリーナの匂いが薄い!」

 あの人はどこに。焦る思いに引きづられ、俺はペトリーナの部屋に入った。ノックとかしてる場合じゃないのは分かっていた。

「ペトリーナ!」

 返事は無かった。その代わりに俺の目に映ったのは、荒らされた彼女の部屋と、一通の置き手紙。





『ペトリーナ・コルティは預かった。

娘の命が惜しくば身代金1000万シルを持って南部監視塔跡地に来い。


                          サブヴァータ』

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