10年間と21万4142円
日本ノベルアーツアカデミー
私が作家になるまで。
10年間と21万4142円――それが、作家になるまでに私が費やした時間とお金でした。
作家を志したとき、私はまだ学生でした。
「絶対に自分は作家になる」
「誰よりも面白い作品を書いてみせる」
そう意気込んでいた私は書店へ行き、目についた小説のハウツー本を何冊か買ってきました。
――しかし、1年経っても2年経っても、小説はひと文字も書けないままでした。
自分の才能のなさにがっかりした私は、教育の道に進むことにしました。
ところが、公立の小学校で教員生活をする傍らで、次第にフラストレーションが溜まっていきました。
「どうして自分は作家になれなかったのだろう」
「なぜ小説が全く書けるようにならなかったのだろう」
経済的に余裕が出ていた私は、もう一度小説の勉強をしてみようと思いました。
そして、あらゆるハウツー本を買い漁るだけに留まらず、とうとう十数万円もする小説の通信添削講座にまで申し込んでしまったのです。
結論から言いますと――そのおかげで作家になることができました。
やはり通信添削講座が決め手となったのでしょう。
課題をこなすためには、自力で作品を書いて提出しなければなりません。高額な代金を支払ってしまっているのですから、テーマを出されるがままに、なんとかかんとか書いては出していました。
――あれは受講開始から半年ほど経った頃でしょうか。
腕試しをしてみようと思い立った私は、オリジナル長編小説の序章となる3000字ほどの作品を書いて、国内最大手の小説投稿サイト『小説家になろう』にアップしてみました。
するとどうでしょう――日に日にアクセスは倍々で伸びていき、2日でジャンル別日間ランキングで1位、4日で週間1位を獲得し(総合でも100位以内でした)、ブックマークは毎日数百件ずつ増えていきました。
中でも一番嬉しかったのは、
「いつも楽しみにしています」
「笑いました」
「泣きました」
――などとたくさんの温かい応援や感想をいただいたことです。
小説の書き方を理解して少しずつ自信をつけた私は、今現在も楽しく創作活動を行うことができています。
――そして、新たな夢が生まれました。
「小説の技術をより多くの人に伝えたい」
……これも教育者の性なのでしょうか。
「自分で作品を書くだけでなく、これまで散々苦労した自分自身の経験を活かして、創作に困っている方々の役に立ちたい」
そんなことを考えるようになったのです。
小説を書くことを「航海」に喩えるならば、小説の技術を学ばずに小説を書き始めることは、航海法を学ばずに大海原に漕ぎ出すようなものです。
さらに厄介なことに、この「航海法」というものは、テキストによる独学ではなかなか身につかないのです。
水泳の本を読んでも人が泳げるようにはならないように、小説の書き方の本を読んでも小説が書けるようにはなりません。
ハウツー本ばかり読んでいた私が一向に小説を書けるようにならなかったのは当然だったのです。
――10年と21万4142円。
作品執筆の参考資料として購入した小説や漫画を含めると、その1.5倍くらいにはなるかもしれません。
これから小説を書こうとしているみなさんには、そんな膨大な犠牲を払ってほしくはないのです。
2020年3月――私は小説家養成機関『日本ノベルアーツアカデミー』を発足しました。
「日本の小説(Novel)を芸術(Arts)にする」というコンセプトでスタートしたこのプロジェクトには、私が多大な時間とお金を費やして得た小説の技術と、創作に悩む書き手たちや疲弊する出版業界への思い、プロジェクトに賛同してくれた多くの方々の知恵と努力――そのすべてが詰まっています。
プロジェクトが進行することによって、書き手はより面白い作品を書けるようになり、読み手はより面白い作品を読めるようになります。
少し先の計画として、新たなプラットフォームの開発も既に始動させております。
一言で表しますと――『完全審査制の小説投稿サイト』です。
そこにはランキング制度もなく、審査を通過した作品のみがジャンルごとで横並びに掲載されます。読み手による、大量の作品から良作を掘り起こす作業(いわゆる「スコップ」)が大幅に省略されます。
書き手は自信を持って自分の作品を公開でき、読み手はより良い作品と出会える確率が上がるでしょう。
さらに、本プロジェクトでは掲載作品の書籍化やコミカライズも積極的に実施していきます。メディア展開をしていくことで、作品をより多くの方に楽しんでもらうことができるようになります。
――しかし、これらのプロジェクトはまだまだ産声を上げたばかりです。
その成長には、みなさんのお力が絶対に必要となって参ります。
――作家志望のみなさん。
日本ノベルアーツアカデミーで小説の技術を学びましょう。当校のテキストは公式ウェブサイトにて全編無料公開していますから、まずはそちらに目を通されることをおすすめします。
また、当校の通信添削講座『ベーシック通信添削コース』の添削課題は、テキストの各章と完全にリンクしていますので、課題をこなしていくことで確実に技術を身につけることができます。学生の方でも気軽に始められるよう、料金も非常にリーズナブルな設定にしております。
――読者のみなさん。
面白い作品、応援したい作品には、ぜひ反応をしてあげてください。ブックマークひとつ、感想ひとつでも、書き手にとっては大きな励みになります。
もちろん、私も本サイトのユーザーのひとりとして、様々な方の作品を読んでは積極的に感想を書かせていただくつもりです。
そして、「自分でも小説を書いてみようかな」と思った方は、ぜひ当校の通信添削講座を受講してみてください。小説の知識がゼロの方でも、確実に小説が書けるようになります。
小説を書いている人は世界中に多くいますが、きちんと小説の技術を学んでから書いている人はほとんどいません。本講座を受講することで、執筆経験にかかわらず、圧倒的に有利な状況から安心して創作活動を始めることができます。
――我々はこれから、全力で日本の文芸におけるすべての文脈を変えていきます。
「小説を書けない」人が、「小説を書ける」ように。
「小説の勉強には膨大な時間とお金が必要」な社会から、「誰でも気軽に小説の技術が学べる」社会へ。
「作品がなかなか読まれない」「読み手が良作を見つけられない」プラットフォームから、「作品が確実に読まれる」「読み手が新鮮な良作と出会える」プラットフォームへ。
そして――「作家になりたい」人が、「確実に作家になれる」世界へ。
小説はきちんと学べば誰にでも書けるようになります。
――私たちと一緒に、あなたも一歩踏み出してみませんか?
10年間と21万4142円 日本ノベルアーツアカデミー @NovelArtsAcademy
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