第13話 卒業式

 僕とコユキで「さっぽろ雪まつり」の雪像を観た後、コユキが僕にバレンタインデーのチョコを差し出した。


 僕は断るのも悪いと思い受け取ったのだ。そして、こうコユキに聞いたのだ。

「このチョコ、僕で良かったのかなぁ?」


 僕はコユキからチョコを受け取っておきながら、コユキを傷つける様な言葉を投げ掛けてしまったのである。


 するとコユキは悲しそうな表情をして、僕にこう言った。

「タケシ先輩! やっぱりユウコ先輩のこと、好きなんですか?」


 こうコユキは僕に告げ、一人お店を後にしたのだ。僕は弁解するため、慌ててお店の会計を済ませコユキを追い掛けた。


 札幌駅の方へと向かうコユキを、僕は必死になって追い掛けた。すると「札幌時計台」の前を通過した所で、偶然にもユウコに出会したのだ。


 ユウコは僕に気づき、こう声を掛けて来たのである。

「タケシ君! 久しぶり、どうしたの?」


 僕はユウコのこの問い掛けに、どう答えたら良いか迷った。そしてこう答えたのだった。

「ユウコ! 久しぶり……何でここに居るかと?」


 そう僕がユウコに言っている間にも、コユキは僕の視界から遠ざかり、見失ってしまったのであった。


つづく…

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