真新しい自転車に乗って
見慣れない景色
桜が舞って 空が青くて
電車が走る音がする
なんだか 全てに歓迎された気分
俄然無敵な 今までとは違う私
一人称変えて
方言もばっちり抑えて
髪も切って
新しい自転車に乗って
知らないこの街を 走ってみる
なんにも知らない街
右も左も分からぬまま
ただ ひたすら走った
真新しい自転車に たくさんの期待を寄せて
知らないお店に 入ったり
知らない階段 上ってみたり
気付いたら 涙拭ってた
ふと 振り返ると そこには
いちめんの 鮮やかなオレンジ
街中を夕日が照らしてる
さっき通ったあの道も
さっき入ったあの店も
全部 全部 夕方で
涙溢れて 止まらなくなった
きっと 母が住むあの場所も
夕方に染まってる
どんなに離れてても 空は同じなんて
変なの
ちょっと笑っちゃうね
真新しい自転車に乗って
私は新しい家に帰る
そう 日が暮れないうちに
私は新しい家に帰る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます