ある所にお爺さんとお婆さんと僕が居ました

かまぼこ

プロローグ 必然か不運か

 激しい後悔が、満身創痍の青山大空の身を襲う。僕が…鬼退治に行けば事は変わったのだろうか。無実の人間がここまで無造作に鬼に食われるなんてことは無かったのだろうか。それは想像を絶する程、綺麗な丸呑みだった。証明に辺りに血が一滴も見えない。

 村の惨状を見ているうち、ダイアの右手の甲に雫が落ちる。


「なんで、泣いてんだよ僕。泣いてる暇があったらやれること探せよ」


そんなダイアの言葉とは裏腹に涙はとめどなくで続ける。


「泣くなよ…立てよ!出来ることしろよ!」


自分に言い聞かせ、再び立ち上がろうとした矢先、聞き覚えのない声がした。

「泣けよ」

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