第一章 同居開始編
第2話 あいつは俺のストーカー?【如月ソフィア】
春というのは、出会いと別れの季節である。新しく始まる新生活に心を踊らせる者。大人の波に飲まれないか不安な者。大抵の人間は不安とそれと同じくらい大きな期待を胸に、暖かな春風を置き去りにして前へ進むのだ。
ガラガラッ
「うぃす!
バシンッ
「いってー!」
うるさい挨拶と共に入ってきて、俺の肩を叩いてきたヤツの名前は、
1年生の時に、仲良くなったヤツだ。なんでも2年になったこの春にサッカー部でエースを任せられるそうだ。
「おう……おはよ」
「なんだぁ? 元気ねぇじゃねぇか? 新しいクラスにまだ慣れねぇのか? 新学期始まってもう1ヶ月だせ?」
「いや、そうゆう訳じゃないんだが……」
チラッ
「ん? どこ見てんだ? ……あぁ!なるほどな! そりゃ見たくなるのもわかる! 美人だもんな
俺が視線を送ったのは、1番後ろの席に座る如月ソフィア。なんでもロシア人の母親と日本人の父親のハーフらしい。
サラサラの銀髪を肩まで伸ばしている。目は少しつり目気味で流し目をした時の表情は破壊力バツグン。手足もスラッとして長くスタイルも良い。そして美乳である。
「なぁ、翔馬。この際だから言っておくぞ……如月はやめた方がいい」
「ん? ……どういう事だ?」
「いやぁまぁ。あんまりこういう事言いたくないんだが……」
「……なんだよ?」
ハッキリしない春樹に疑問顔の俺。
「いや、やっぱりいいや! お前噂とか大っ嫌いだもんな!」
「……別に、嫌いなわけじゃ」
「昔、俺と
「それは……まぁすまん」
「謝んなって! あの一件が無かったら俺達カップルは今もこうして笑ってないって!」
「……そっか」
春樹が言ってる愛って子は、春樹の彼女で秋ノ
じぃ……
ぶるりと背中に悪寒が走った。振り返ればコチラを睨んでいる如月の姿が見える。一瞬目が合ったかと思ったが。すぐ逸らされた。
「なんなんだよぉ……もう1ヶ月もこんな感じじゃねぇか」
新学期が始まってから、1ヶ月の間如月はずっと俺の事を見てくる。
いや見てくるだけならいい。
アイツは付いてくるんだよ。
学校でも! そして、プライベートでも!それも無言で!
「……俺、何かしたかなぁ」
そんな事を思いながら、その日はいつも通りの日常として過ぎていくハズだった。
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