同居人の女の子達は肉食乙女

トン之助

第1話 プロローグ

 人はなぜ、恋をするのだろう? それは、愛した者と一生を添い遂げたいと思うからだろうか……



「あっついなぁ……」


 ジリジリと照りつける太陽がもうすぐ夏の訪れを知らせる頃。俺、神月翔馬かみづきしょうまはリビングのテーブルに座り、独り言をつぶやいていた。


「やっぱり一人はいいなぁ」


 穏やかな時間の中で、1人の世界を漫喫していた。


 大きく息を吸い、手を伸ばし新鮮な空気を取り入れる。それが終わると目の前には湯気がゆらゆら揺れるコーヒーに口を付ける。もちろんブラックだ。


「はぁ……ひとりは幸……」


「ちょっと、翔馬! 早く食べなさいよね!」

「ワタシが食べさせてあげようか? 口移しで? ……あ〜ん」

「ちょちょちょ、ソフィアなにやってんのよ!?」


「ひとりは……」


「……あのあの先輩! お、お弁当作りました!」


「ひとり……」


「私は生徒会の仕事があるから先に出るぞ!

 皆も遅刻するなよ?」


「は〜い! 」」」

「うふふふ、さつきちゃんいってらっしゃ〜い」



「……って、どうしてこうなったぁぁぁぁ!?」




 思い描いていた1人暮らしは突然終わりを告げ、なぜか俺の家には……




 5人の女の子達が住んでいた!?





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