感想文100本ノック7.血弾ー真打版/鴉
タイトル 血弾ー真打版
作者 鴉
4万5千文字完結作品
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890330451
お仕事の息抜きに執筆を楽しんでらっしゃる鴉先生。本作は、太平洋戦争末期をテーマにはしたホラー作品となっています。
あらすじ
1944年某日、四式重爆撃機飛龍の乗組員、飛田正彦は、硫黄島からの引き揚げ中、敵機に遭遇してしまい窮地に立たされていた。死を覚悟した飛田の前に突如現れたのは、黒塗りに日の丸の夜戦スタイルの零戦であった。既に零戦も敵国は対策済みの機体である。しかし、その零戦は、敵機を上回る性能で、飛田達を無事本土に帰還させたのだった。「新型の零戦」とは一体なんなのか。帰還した、飛田は山之内と呼ばれた死装束の女と本土防衛任務に当たる。山之内は、「零戦 恐型」と呼ばれる黒の零戦のパイロットであつた。「恐型」とはなんなのか? 42部隊とは?
魅力
場面展開に髑髏マーク☠️を用いる斬新さ。たくさんの犠牲の元戦争が行われているのだという事を彷彿させる。
零戦に祈り敵への呪いを込める事で強化するというオカルトじみた設定もよい。
話のテンポの良さ、設定の作り込みにより主人公に入り込んで読むことが出来た。
史実の説明などが入る為 戦争物に詳しくない私でも楽しめる一作となっている。
気付けば夢中でページをめくる。
背筋がぞっとさせられる良質なホラー戦記だ。
オクタン価100以上の燃料について、車にしか乗ったことがなかったので詳しくなかったが、これをきっかけにして鉛等の添加物を加えることにより、オクタン価100以上をパフォーマンスとして出すことが出来るという事がわかった。
またそれらの手法が世界大戦当時からアメリカでは当然のものとして使われているが、日本では実現できていなかったという史実に基づいたファンタジーとなっている点に、作者様の知識量、下調べ量が垣間見える。
ラストまで一息に読み切り、そしてふっと解放された。ああ、ついに終わったのか。その結末にそっと目を閉じる。夏に読みたくなる良い作品であった。
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