にじ

自分を大切にするのが

いちばん難しいと気づいた


自分のことも大切にできないのに

もうひとり大切にするなんて

できないと思った


でもどうしたって

現実は変わらないし

私以外の「もうひとり」は

着実に前に進んでいる


吐き気がする

苦しめられてる


ちょっとずつ暑くなってきた季節が

私を追い立てるようにして

手のひらに汗が滲む


午後三時のおやつの時間

もちろん私はお菓子を食べられるわけもなく

ただぼんやり

横になって外を眺めていた


うすいうすい虹が見えて

気のせいかと思った


なんのために虹がかかるのか

考えてみたけど

意味なんて思いつかなかった

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