異世界召喚して王族だったらしく、最高の日々だったはずなのに俺の異世界生活はこんなもんか。

espion♪(えぴ)

召喚の章

DAY ① 夏の暑さにやられて

ミーン…

夏の暑さに溺れるほど小さな鳴き声。

小説を書く俺にはちょーキツイ天気。

こんな日はアイスがとっておき。


二階の自分の部屋から出て、キッチンの冷蔵庫からジャンボを取り出す。

かしゃかしゃ…

こんな音も何故か今日は綺麗に聞こえる。

「おい、慧!買い物に行ってこい。」


ーーーーーーーーーーーー

俺の名前は、理月りづきえる

まぁいわゆるブサメン。

肌荒れはひどいし身体は小さいし。

好きな子には振られる。

ひどい人生だよ。

あーあ、

俺にも転機の日が来ると良いなぁ…

ーーーーーーーーーーーー

俺はかぁちゃんに頼まれた買い物に行った。

「(コンビニで済ませられるな)」



ピコンピコン♪

コンビニの特殊なこの音。

耳障りだ。

ーーーーーーーーー

「968円でーす。」

この女の声も耳に刺さって痛い。

「(あ、穴が空いてる10円だ。高価なやつだから今度金に変えよう。)」



ピコンピコン♪

「ありがとうございましたー!」



こんな暑い日も公園では小学生達が水風船で遊んでいる。ま、どうでもいいけど、どーせ

忘れるし。


ばちゃ!

「(あ。)」

「お前何やってんだよ!」

「ごめんなさい!!」

「馬鹿じゃないの!ひろし君だめだよ!」

「すみません!」

俺にその、ひろしって子が投げた水風船が当たって、顔面で優美に弾けた。

俺は無視して歩いて行った。



「(てか、あつー…水風船なんも効果ねぇ。)」

俺はオタクでもなんでもないが、一日中部屋で過ごす。

だから日差しには弱い。

はぁ…熱中症なりそう。




やっと家の前まできた。




その時はそう思った。




が、




違ったんだ。



ちょっと安心した俺は、



その玄関前で









ぶっ倒れた。



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