第289話 番外編 17
天気が曇りなのと、夕方だったせいもあって、公園内はどんよりと暗かった。
こんな奥まった場所に一体誰が公園を作ろうと思ったのか?
まわりは森のように木が生い茂っていて、園内も整備されてないせいで草がボーボーになっている。
錆びだらけになった遊具や、壊れて所々欠けているパンダやウサギのオブジェが、さらに恐怖感を煽る。
「この公園…、完全に存在を忘れられてるよね…?」
凜は青ざめて呟いた。
安藤はこのただならぬ雰囲気と旭が理解できず、腕組して悩んでいた。
「おまえ、こんなとこで何するつもり?」
「目的はここじゃないんだ。」
旭はそう言うと、さらに公園の奥へ進んで行った。
「えー、もう帰ろうよ~! 絶対ここ出るって~!」
類は文句を言いつつも、皆旭について行くのでしょうがなく従った。
公園の一番奥はツタが不気味にからまった壁だった。
回りの木々はよりうっそうと茂っていて暗さを増していた。
「この上に登る。」
「あー? おまえ、頭おかしくなったんじゃないか~? どうやって登るんだよ! あーもう嫌! 俺、もう嫌だ~! 早く帰っておやつ食べてゲームする~!」
類はわめき散らした。
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