第283話 番外編 11


「先生! 安藤先生!」


「あ、ごめん、どこからだっけ?」


安藤はノエルに呼ばれて我に返った。


「先生、大丈夫ですか? なんだか上の空ですけど…。」


安藤は何か考え込んでいるようだった。


「先生、何か悩みでもあるんですか?」


ノエルは安藤を覗き込むように聞いた。


「あのさー、俺って、どう見える?」


「どうって…、例えば女の子から見てとかですか?」


「うん。」


「…えっと~…。」


ノエルは言いにくそうにしていた。


「だから~、君が俺のことタイプじゃないの、もう十分わかってますから! 一般的な意見を言って!」


ノエルはそれを聞いて気が楽になった。


「先生は、モテるんじゃないですか? カッコイイし、背も高いし。」


「だよなー!」


安藤が急にノエルの方に向き直って大きな声で言ったので、ノエルは椅子ごと後ずさりした。


「…先生、もしかして…、旭ちゃんと何かあったんですか?」


ノエルはニヤニヤしながら安藤の顔を見た。


「…旭?」


「うんうん!」


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