第274話 番外編 2

「はぁ~? そんな小さい事! そんな小さい事って言ってたの? しかも俺の事覚えて無かったって~??? 乃海のやつ、俺に恨み持ってるからわざとそう言ってるんじゃないか? ほんとは旭の連絡先もらってるんじゃないの?」


安藤はいまだ現実を受け入れられないようだった。


「いえ! ほんとですよ! 乃海君、恨むような人じゃないし、安藤先生の事、もう別に何とも思ってないというか…。旭ちゃん、あんな性格だから、別にお礼を期待して何かするとかいうタイプじゃないし…。」


安藤は何かぶつぶつ言いながら不満そうにしていた。


ノエルはそんな安藤を見て、今日の勉強はもう終わりなのだろうか?


そうなのだったら早く帰ってくれないかな?


乃海君に電話したいのにな…と、思っていたが口に出せずに困っていた。



あの女は何なんだ!


あの時、落ち込んでいる俺を心配して寄り添っていたじゃないか!


落ち込む俺に、愛に満ちた励ましの言葉をかけてたじゃないか!


絶対に俺のことが気になってると思ったから、こっちから連絡してやろうと思ってたのに!


そんな小さい事だぁ~?


もう忘れただぁ~?


つか、俺の事、覚えてないだぁ~!!!!!



あーーー!


こっちこそおまえの事なんて忘れてたさ!


あー損した!


損した!


思いやってあげて損した!


もーおまえなんかにかまわねーぞ!


俺の人生からおまえの存在自体抹殺だ!


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