第240話

 校舎の入り口に、パトカーや消防車、救急車が続々と入ってきた。


テレビ局の車まで来ていた。


話しを聞くと、どうも戦時中の不発弾が爆発したらしい。


救命士が怪我人の救助にあたった。


俺たちにも念のために病院で検査をした方がいいと言ってきたので、病院に行かなければいけなくなった。


気付くと類がいない。


慌てて皆で探した。


「いや~、びっくりしましたぁ~。まさか戦時中の不発弾が爆発するなんて!あっ! でも、僕、何か嫌な予感がしてたんですよ。だから室内じゃなくて、表のテラスの、しかも建物から一番離れた席に座るようにしたんですよね~。」


類はテレビのインタビューを受けて、さぞかしいい気分なのか、それはそれは流暢に語りまくっていた。


「あのやろー、外にしよって言ったの私なのに! 人の手柄横取りしやがって! 絶対旨いもんおごらせてやる!」


旭は鬼のような形相で類を睨んで呟いた。



 廃校を後にして、車から校舎を見た。


ここでノエルは、いや由紀子は死んだんだ。


そのことを思うと胸が痛くなった。


俺はノエルの手を強く握り締めた。


もう絶対この手を離すもんか!


そう硬く心に誓った。



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