第145話
さっそく次の週、私はまた宝探しに出かけた。
今日は港の異人館がたくさんある地区に行ってみようと思った。
スマホの座標は、その地区の駅と図書館を指していた。
この辺は、昔何度も祖母と散歩に来た場所だ。
祖母の若い頃は、こういった和洋折衷のステキなビルが街にたくさん建っていたと言っていた。
娘時代、ある人によくジャズ喫茶につれて行ってもらって、その街も当時はこんなレトロな街並みだったと言っていた。
今思うと、祖母のデートの相手はきっと和夫さんなんだろう。
祖母が教えてくれたジャズ喫茶というのは、喫茶店の中にステージがあって、それをぐるりと囲うように席があり、生バンドが演奏して、音楽を楽しみながらお茶するのだそうだ。
昔はそんなステキな喫茶店があったなんて、少しうらやましく思った。
なんだか、今の時代よりもその頃の方がおもしろそうに感じた。
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