第120話
小学校、中学校までは、血の滲むような努力の甲斐あって、成績は上位をキープしていた。
母に成績表を見せると、とても喜んでくれた。
中学が終わり高校に入った頃、母は私に更なる期待を抱いた。
大学はさらにハイレベルなところを目指してみたら、と薦めてきた。
旧帝国大学レベルの工学部建築学科に入って、父の跡を継がせたいというのだ。
私の通っている中学は地方の私立に多いタイプの学校で、大学まで直結しているが大学はそんなにレベルが良くなくて、ほとんどの優秀な生徒は関東や関西の有名大学や、その他国立大学に進学する。
母は私にもっと頑張れば更なる飛躍を遂げられると信じて疑わなかった。
母の期待を裏切りたくない一心で、私は受験を決意した。
すると母は張り切って、親戚の知り合いの大学生を私の家庭教師につけた。
家庭教師は安藤雅人という地元国立大の医学生だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます