怖い話⑥

564219

大切な物


これは母から聞いた話です。

母が中学生の時に友達のAさんのお父さんが亡くなったそうです。お父さんが亡くなる直前にAさんにあることを言ったんです。


「俺が死んだらお母さんを止められるのはお前だけだ。お母さんの事頼んだ。」


Aさんは最初はお母さんを止めるの意味を理解していませんでした。


その頃Aさんの周りでは不審な死を遂げている人がたくさんいたんです。死因はどれも事故死。しかしAさんはお父さんから言われたこともありその死とお母さんが関係していると思い始めました。


お父さんが死んでからしばらくして、Aさんは学校で友人と喧嘩をしました。そして喧嘩の事をお母さんにAさんは言いました。すると…一週間後テレビのニュースで


「今日午前3時頃、一人で歩いていた○○さん電車にはねられ死亡しました。」


その○○さんとはAさんと喧嘩をした友人の名前でした。そのニュースを聞いたAさんは気づいたんです。○○さんは事故ではなく自分のお母さんに殺されたことを。


Aさんの周りで不審死を遂げている人はみなAさんと何らかの接点がありその人達とは全員喧嘩や言い争いをしたことを。


そして数日後Aさんのお母さんは殺人の容疑で逮捕されました。警察の取り調べで


「娘の周りに邪魔者がいた。排除しないといけないと思った。」と…


お父さんはお母さんのやっていることを知っていてなぜ止めなかったのか、なぜ死に際に私に言ったのか。


ここでAさんはもう一つ引っかかることがありました。おとうさんは本当にただ亡くな多だけなのか、おかさんが運んだ薬や食事にに毒物が入っていたのではないか。


それからというものAさんは二度と人を信じられなくなったという…


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