第三四六食 友人たちと朝の日没②
「――というわけであの子、昨日の夜から
「なるほどー、それであんなにヘコんでるんだー」
「いや、それにしたってヘコみ過ぎでしょうよ。なんなのさ、あのどす黒い
今朝も
「でもまひるん、可哀想だよねー……ちょっとテストの点数悪かっただけで『
「というか、そもそも期末の時のまひるの点数ってどんくらいだったわけ? そんなに酷かったの?」
「平均八〇点を若干超えてるくらい。私が見た限りではね」
「高っ。なによそれ、十分好成績じゃん! 私がその点数持って帰ったらうちの親なら泣いて喜ぶっての!?」
「まひるんのお父さんってそんな厳しい人なんだー? もっとゆるーい感じだと思ってたー。
「まあ、そのお母さんの説得と
「フン、どうだか。私から見りゃ、
同情や怒りを
「まひるんのおうちのことはよく知らないからなんとも言えないけどー、でもあんなに落ち込んでるのを見ちゃうと放っておけないよねー」
「私が電話でガツンと言ってやろうか? 『うちのまひるを泣かせるたあ、いってえどういう
「なんで江戸っ子
「あははー、雪穂は
「……や、やっぱガツンと言うのは恋人の役目よね!
「ビビるの
亜紀の言葉に対し、雪穂が「うーん」と首を
「元気付けるって言ってもなあ……あの状態のまひるを元気にさせるのって無理ゲーじゃない? 前に
「あったわね、そんなことも……」
「たしかに、まひるんっておにーさんへの依存度高そうだもんねー。おにーさんが『真昼、俺と
「居酒屋かな?」
「どういう偏見なのよ……流石のひまもそこまでではないわ。……たぶん」
「断言出来ない時点で相当だけどねー?」
「……話は聞かせてもらったぞ」
「「「!」」」
「
「わー、つまんなー」
「というか、なにレギュラー
「誰が厨二眼鏡だッ!?」
雪穂の遠慮ない物言いにピキッと
「太陽が
「ユズル、何言ってんだ……? でもお前ら、旭日を元気付けようとしてるんだよな? だったら俺たちも力を貸すぜ!」
その隣に立つ涼もグッと親指を天に向けてサムズアップ。どうやら話を聞きつけ、友人の一人として居ても立ってもいられなくなってしまったらしい。
そんなやる気満々の二人に対して亜紀を除く女性陣は「ええ……?」と微妙な顔をしたが……そんな不安しかない友人代表たちによる真昼元気付け大作戦が今、始まろうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます