天才になんてなれやしなかったけれど、せめて、生きてはいたいのです

[注釈]この記事は、noteでお仕事を募集し始めた時に執筆しました。


 普段から、ファンボックスで支援を募っているくせに、仕事まで募集しだしたので、驚いた人も多いでしょう。どうか、貪欲な人間、と笑ってください。

 僕はどうにかして、文章でお金を稼がなければならないのです。だって僕は、もうすぐ大人にならなければいけないのですから。

 まず、僕は、この人間社会たる場所で生きていくための、一切の基盤たるものを持ち得ていません。学生のうちはまだ良いでしょう。けれど、大人になったならば、僕は嫌でも社会から認められなければならないのです。最近では、死ぬしかない、とさえ思っています。もし僕が、もっと社会に適合出来ていたのならば、こんな風に思い詰めることもなかったでしょうに。

 僕には、文章を書く他に生きていく術がないのです。僕は、人の目を見て話すことが出来ません。僕は、人に声を掛けることが出来ません。僕は、人の身体に触れることが出来ません。――そんな僕が、社会に認められる唯一の方法が、『自己の内面を文章として再構築する』という行為でした。それをやっている間は、普段、怯えた調子で居る僕に眉を顰める担任の先生も、もしそのままで居たら、僕の存在になんて気付かなかっただろう人たちも、僕を褒めてくれたのです。

 屹度、人は言うでしょう、『ならば、小説でもなんでも書いて、それを仕事にすれば良いじゃないか』と。けれど、僕は天才じゃ在りません。そうやって生きていけるのは、一握りの天才だけなのです。僕は知っています。何人も見てきました。僕と同じように、文章を書くことでしか生きていけない人たちが、自己の才能のなさに絶望し、そして死んでいく様を。

 僕もまた、その一人になるのでしょう。なんだかとても惨めで、とても悲しいような気もするけれど、致し方ありません。せめて、その時までは精一杯足掻いてみようと、思います。 その足掻きの一つです。noteやファンボックスで募っているお仕事、支援は。

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