邂逅

00:プロローグ

 ある日、曇天の空を一筋の光が貫いた。その光に被さるように何かが近づいてくる。

それはあまりにも唐突で・・・

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ふぁぁ〜おはよう 彩芽」

「おはよう、お兄ちゃん」

「おはよう、むっちゃん。今日の朝ごはんは何がいい?」

「ご飯炊いてある? 別になんでもいいよ。おばあちゃん。 てか、いい加減その呼び方やめてくれよ。女の子みたいじゃん」

「あらあら、むっちゃんも、もうそんな年頃なの〜? はいはい、努力します」

「あぁーもう またぁー」


 今日は20○○年2月28日いつもと変わらぬ朝。共働きで忙しい両親のために祖母が毎日炊事をしにやってきてくれる。


「行ってきまーす」

 本当に何も変わらない朝。


 今日は1時間目から国語かぁ 国語は正直苦手なので憂鬱だ


 俺はいつもと何も変わらぬ日をただただ普通に過ごしていた。

 そう普通に。学校に行ってはついていけないゲームの話に話を合わせ、何のために受けているのかわからない授業を聞き、今校門を出た。こんな日々を何年過ごしているのだろうか。


 俺は榊原 睦月。1年前、高校受験をしてまあまあ有名な高校に入学。とはいっても学校生活が充実しているわけでもない。彼女もいない、学校にいっても何も知らないゲームの話で盛り上がっている同級生。


 いつの間にか、クラスのどのグループにも属せなくなってしまった俺は、いろいろなクラスのグループを転々としている。

 そんな俺の趣味は漫画とライトノベルを読むこと。

 俺の青春は来ないのだろうか。


「明日の日直は加藤くんです。 さようなら〜」

「じゃぁねー」だの「バイバーイ」だの聞こえる中、特に何もなく今日も一日が終わり始める。 

 あぁ 普通だ


 今日も家帰っても親も祖母もいないし、彩芽の好きな焼うどんでも作るか。

 スーパーで焼うどんの材料を買い、ついでに買ったアイスをほおばりながら近くのブランコを漕ぐ。


 冬も明けてきたみたいだなぁ もう5 時なのにまだ明るい




 ―物語は突如 冒頭に還る―


「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ  ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 うん? 何か降ってくる


 それは俺の視界を覆って行き   ぶつかった  死んだ? 俺


 いや思ったより軽いというか柔らかいというか。2つのお山が顔にぶつかった。

 俺の顔でワンバウンドしたそれは目の前で転がり、体勢を直してこっちを向いた。

「いやぁぁぁー このセクハラ男!」

 いや意味わからん


 流石にこれはイレギュラーだわ

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