妖ノ子

まみむ

始まり

「森に妖魔が増えているって快刀班の人たちが話してたの。」

「近くの草原にも出るようになったらしいね。はぁ~、この町に来なければいいんだけど。」

「ほんとねぇ。あ、そういえば聞いてほしいことがあるの。」

「かまわないけど、どうしたの?」

「妖魔は増えてるけど、攻撃してこない妖魔がいるらしいの。ほら、妖魔退治から帰ってきた人って怪我人多かったじゃない?でも、ここ最近は無傷の人もいるのよ。」

「え、そんなことあるの?」

「そうなの、傷を手当てしようと思ったら無傷の人がちらほらいてね。最初は、お強い方なのかなと思っていたのよ。でも、獅子隊になられたばかりの方だったから気になって話を聞いてみたら、妖魔が攻撃してこなかったって。」



妖魔は、もっている魔力が上手く操ることができず、魔力が暴走してしまう。暴走すると、知能が急激に低下し、近くにいる魂を持った生キ物は襲い、殺して、喰う。これが一般的に認識されている妖魔である。


そして、妖魔を退治するために結成された獅子隊。獅子隊はいくつかの班に分かれている。その中でも特に実力があるのは、巫術を使う巫覡(ふげき)班・刀を使う快刀班の二班である。この班に入るには三等級の妖魔を五十体倒す必要がある。獅子隊に入るだけでも至難と言われているが、この二班に入るには更に努力が必要である。



しかし、ある書物によると獅子隊には伝説の班があると書かれている。巫術でもなく刀でもない方法で妖魔を退治する。しかし、誰も伝説の班を見たことがなく、嘘ではないかともいわれている。




これは妖魔退治と、ある少女のお話である。

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