今回読者諸兄にご紹介する作品は、クトゥルー神話を題材にした中編小説である。
特徴である脚本形式の文体は、海外ドラマの雰囲気を持つ今作にピッタリとマッチしており案外と飲み(読み)易い。
くどい心理描写もなく口当たりはドライ。
しかし、作中での宗教儀式に対する言及や後半の展開はガッチリとクトゥルー神話しており、クトゥルー神話経験者にも確かな読後感を味わわせてくれる。
アメリカの田舎が舞台なのも良い意味でアメリカのB級ホラー映画っぽく、その手のファンには親しみ安い題材だろう。
クセのある(クトゥルー神話)風味を芯を損なう事なく飲み(読み)易いものにしてくれている今作は、サクッと楽しむのには持って来い。
是非、お好きな飲み物とポップコーンでも用意して気軽に楽しんで頂けたら幸いである。
では、映画の様な夢を……。